「猫オルガン」に英皇太子爆笑、ぬいぐるみの“鳴き声”を交えて演奏。

2010/09/14 12:37 Written by Narinari.com編集部

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“音楽”を楽しむのは、何も耳で聞くことばかりではない。名プレーヤーの演奏を見てうっとりしたり、ライブに行って迫力を体感したりと、楽しみ方は実にいろいろだ。その中には、ユニークな演奏で人々の興味を惹くというものもある。英国の芸術家は先日、ロンドンで開かれたイベントで、猫のぬいぐるみを押すと出る声(音)を織り交ぜた“猫オルガン”を披露。ユニークなオルガンから流れるチャーミングな音の演奏に、イベントを訪れていたチャールズ皇太子夫妻が涙を流して大爆笑している映像を王室が公開している。  

オルガンにズラリと猫のぬいぐるみを並べた、見るも愛らしい“猫オルガン”を披露したのは、英国の彫刻家という54歳のヘンリー・ダグさん。ダグさんは今回、チャールズ皇太子公邸の「クラレンスハウス」の庭で、9月8日から19日まで開催中のイベント「エコ・フェスティバル」に登場した。英放送局BBCの元音響技師という経歴を持つダグさんは、ピアノのほかにのこぎりバイオリンの演奏家としても知られ、また、今年1月には大型オルゴールのような“ピンバレルハープ”という楽器を4年かけて完成させて話題を呼んだ人物でもある。

今回のイベントでも、キーボードの演奏に合わせて、まずは得意の「のこぎりバイオリン」の技術を見せたダグさん。そのステージを見守るチャールズ皇太子は、すでにこの時点で笑みがこぼれている。多くの観客も見守る中、次の演奏のためにダグさんが黒いボックスを持ちあげると、そこに現れたのは、猫のぬいぐるみが横一列に並んだヘンテコなオルガン。これを目にした観客も、披露されるなり大笑いだ。

“猫オルガン”演奏の一部始終は英国王室によって「TRH listen to a cat-organ at the START Festival」(//www.youtube.com/watch?v=FSYenalqm5o)のタイトルでYouTubeに投稿されており、ダグさんは音階に合わせて並べられた16匹のぬいぐるみの背中を押し、オルガンの鍵盤と鳴き声で器用に「Somewhere over the Rainbow」を奏でている。「オズの魔法使い」の劇中歌として知られる名曲は普通に聞けばメルヘンなイメージに包まれるはずが、ぬいぐるみの鳴き声があまりにチャーミング過ぎて観客の笑いが絶えない。

そして、カメラを向けられているチャールズ皇太子はというと、横に立つカミラ夫人と共に笑い続け、ハンカチを取り出して涙を拭う仕草を見せるほどだ。

英紙デイリー・テレグラフによると、ダグさんはこのオルガンのアイデアが「はるか昔に遡る」と明かしたという。“猫オルガン”の原型は16世紀、後にスペイン国王となるフェリペ2世への見世物として考案されたのが始まりで、当時は馬車に乗ったクマが、20匹の猫の尾に繋がったキーを押して音楽を演奏したとされ、これが「憂鬱な王子の笑いを誘った唯一の物」との記録も残っているそうだ。

時代を超えて本物の猫はぬいぐるみに代わり、ユニークなオルガンとしてダグさんに再生された“猫オルガン”。スペインの王子に笑いをもたらした楽器は、今度はあまりの面白さとかわいらしさで、英国の皇太子に笑いをもたらす結果となったようだ。

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