「クマーは子供の脅威」と警告、米警察がチラシ作成もメディアは冷ややか。

2010/09/14 07:23 Written by Narinari.com編集部

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主に2ちゃんねるなどで多用されるアスキーアートのマスコット「クマ―」。コミカルな表現で和ませてくれる定番キャラクターだが、欧米では「Pedo Bear」の名で知られ、その意味合いが日本のそれとはかなり違う。米国の匿名掲示板「4chan」など英語圏のBBSでは、子どもの性的画像へリンクを貼る際に使用されることが多く、“変態”としてのイメージが強いという。しかし、最近は着ぐるみやハンカチといったネット以外で「Pedo Bear」を目にするケースが増えているようで、米カリフォルニア州の保安官事務所は「Pedo Bear」の隠れた意味を知るよう、子を持つ親へ警告している。  

米放送局NBC系列KSBY-TVによると、呼びかけを行っているのはカリフォルニア州にあるサン・ルイス・オビスポ郡保安官事務所。この保安官事務所は、ネット以外の場所でキャラクターを目にする機会が増えたとして、「“不安な新しい現象”について警告している」(KSBY-TVより)。同局が伝えたニュース映像では、サンディエゴで開催された「コミコン・インターナショナル」で着ぐるみの「Pedo Bear」が赤ちゃん連れの親子に接しているシーンや、フロントガラス部分にシールが貼られている車の写真を、保安官事務所作成の警告チラシを引用する形で紹介。確かにネットの中だけでなく、イベントや街中でこのキャラクターを目にする機会は、決して多くはないかもしれないがゼロではないようだ。

警告チラシでは「Pedo Bear」とは何なのかを説明すると共に、今年のコミコン開催以降、子どもたちがこのクマのイメージを見る機会が増え、存在が知れ渡ってきたとして、潜在的な意味を知るよう注意を促している。つまり、保安官事務所は、このキャラクターを持っている人が小児性愛者かもしれず、うかつに近づくと子どもに危険が及ぶ可能性があると伝えたいらしい。

この対応について、米ブログメディアのGawkerは「面白い警告」「バカな警察」とストレートに表現。性的な意味合いがあることは認めながらも、「ネット上で最も人気のあるキャラクターの1つ」として、こうした警告は「考え過ぎ」とする見解を示している。Gawkerは直接保安官事務所にコンタクトを取っているが、対応した担当者は「ネット上でふざけて使われている」キャラクターだと、理解はしているそうだ。ただ、「いずれにせよ両親に警告することを望んでいる」(英紙デイリー・メールより)という。

デイリー・メール紙も「おかしな警告」と伝え、保安官事務所のチラシは「ネットの笑いの種を作った、まじめくさったニュースレター」と評している。子どもを守るのは大人の務めとはいえ、保安官事務所が抱いた今回の不安は、欧米メディアから笑い飛ばされるほど極端過ぎる話だったようだ。

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