“飛び出す少女”で交通事故防止? 道路にトリックアート描き注意喚起。

2010/09/10 13:15 Written by Narinari.com編集部

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交通事故を未然に防ぐためには、ドライバーと歩行者、双方が交通マナーをしっかりと守って注意を払わなければならない。特に急に飛び出してくる可能性がある子どもには、ドライバーの大人側が常に意識する必要があるが、カナダの地域団体は、子どもへの意識を高めてもらおうとある試みを始めた。それは、道路に“少女がボールを追っている絵”を描くことなのだが、この絵、走行する車からドライバーが見ると立体的に“飛び出して見える”トリックアートなのだ。

この絵が描かれたのは、ブリティッシュコロンビア州ウエストバンクーバーにある小学校近くの道路。42フィート(約13メートル)に渡って描かれているのは、ボールを追った少女の姿だ。遠目からそれを見ると縦に長く描かれた絵というだけのようだが、ドライバーの視点からは「およそ100フィート(約30メートル)前から視界に入り、徐々に舗道から浮き上がってくる」(カナダ紙ノースショア・アウトルックより)らしい。

となれば、実際にはどのように見えるのかは気になるところ。YouTubeにはドライバーの視点から撮影した動画「You're Probably Not Expecting a Child to Run Out On the Road」(//www.youtube.com/watch?v=8r26AwT7PTM)が投稿されており、確認することができる。

道路に大きく描かれている少女の絵は、車が接近するにつれて本当にそこに少女がいるような大きさ・形に。そして、一定の距離を過ぎると、それが道路上に描かれたただの縦長の絵だということに気付かされる。この道は小学校のスクールゾーンに指定され、30キロの速度制限が設けられているそうだが、ドライバーの注意を喚起するために9月7日から実験を開始した。

しかし、実験を知った一部の人からは「気味が悪い」「恐ろしい経験」との批判の声も上がっているという。こうした反応に対し、実験を主導した団体「Preventable」のスポークスマン、デイビッド・ダンさんは「衝撃的な絵ではない」(ノースショア・アウトルック紙より)と反論。「絵が本物の子どもでないのは明らか」として、ドライバーに“想定外の事態”に備えるよう警告するのが目的だと話している。

また、小学校のデイビット・ランミュア校長も、警察などとの協議を重ねており、「問題はない」とコメント。初日に関しては絵に対する苦情もなかったそうで、「生徒の安全性と交通事情は、私たちにとって常に懸案事項」と、今回の実験を好意的に受け止めている。

ちなみにこの実験には、ウエストバンクーバー警察と「Preventable」が共同で1万5,000カナダドル(約120万円)を拠出。今回ドライバーに対する効果が確認されれば、「ほかの場所でも行われるかもしれない」(カナダ紙バンクーバー・サンより)とされ、その効果のほどに注目が集まっているようだ。

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