地球112周分を走ったボルボ、44年来の愛車と共に300万マイル走破目指す。

2010/09/08 20:47 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


車は決して安い買い物ではないだけに、次々と登場する新しい車に目移りしても「乗れるうちは乗り続けたい」と考える人は多いが、それでも走っていればいずれ寿命は訪れる。消耗品ゆえに、長く乗るためにはメンテナンスは欠かせないが、その費用がかさんでいけば「新車を買ったほうが安いのかも……」と思ったとしても仕方がないところだろう。しかし米国には、購入から44年が経過したいまも大事に同じ車に乗り続け、走行距離が280万マイル(約450万キロ=地球約112周分)を超えるボルボオーナーがいるという。

この男性は、70歳のアーヴ・ゴードンさん。ゴードンさんは10年前までニューヨークの学校に教師として勤め、いまは自慢の愛車でドライブを楽しむ生活を送っている。そんな彼が乗っている車が、44年という時間を感じさせないほど美しく、鮮やかな赤いボディーに身をまとった「ボルボP1800」。44年前に購入したこのボルボを、ゴードンさんはいまも問題なく走行させている。

スウェーデンが誇る自動車メーカーのボルボと言えば“頑丈”のイメージを抱く人も多いだろう。彼のボルボは、まさに“頑丈”そのもの。しかし、有名自動車メーカーがひしめく米国で暮らし、しかもまだ米国のメーカーが元気だった時代に、なぜ彼はスウェーデンのメーカーを選んだのか、そこには理由があるという。

1962年に教師として働き始めてから、米メーカーの車に2台乗ったというゴードンさん。1台目は電気系統のトラブルで、2台目はエンジンに問題を抱え、それほど乗りまわすこともなくダメになってしまったようで、「どちらも迷惑を受けただけだった」(米情報サイトAOL Autosより)と振り返る。

「壊れない車が欲しい」そう考えたゴードンさんが外車マニアの友人に相談したところ、紹介されたのが地元のボルボ販売店だった。そこで目にしたのが、赤いボディーの「ボルボP1800」。販売価格の4,150ドル(当時のレートで約149万円)は、彼の年収に相当する金額だったが、車を気に入ったゴードンさんは所有していた車を下取りに出し、家族からお金を借りるなどしてこのボルボを購入。金曜日に納車されると、喜びのあまり月曜日まで「1,500マイル(約2,400キロ)走った」らしい。

それから10年で、彼のボルボは50万マイル(約80万キロ)を走破。その後も車は走り続け、1998年には169万マイル(約272万キロ)を記録し、ギネス・ワールド・レコーズにも登録されたという。現在の走破距離は280万マイルで、ゴードンさんは3年後の73歳の誕生日までに300万マイル(約483万キロ)を記録したいと意気込んでいるそうだ。

ただ、これまで愛車が走ってこられたのは、車が頑丈だったからというだけではない。常日頃から細かな車のメンテナンスに気を使い、定期的に整備工場で点検を行っているという。「車が多くの距離を走るための秘密の公式はない」(米紙デトロイト・ニュースより)と断言するゴードンさん。「工場のマニュアルをしっかり読み、その通りのことをすればいい。それは車をよくわかっている人々によって書かれているのだから」とも話す。

エアコンやパワステ、パワーウィンドウも非搭載、いまの車よりも構造が複雑ではないのが整備の利点に働いている側面はあるかもしれないが、オイル交換をまめに行うなど、5分弱の点検作業は頻繁に行っているそうだ。「ボルボP1800」に深い愛情を持って接してきたゴードンさんなら、300万マイル走破を達成するのも、そう難しい話ではないのかもしれない。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.