中は液体のままの「ビールフライ」、米料理コンテストに出品で話題呼ぶ。

2010/09/01 14:02 Written by Narinari.com編集部

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連日猛暑が続く中、今年は毎日の晩酌に欠かせないという人も多いであろうビール。冷やしたビールを乾いたノドにゴクゴクと流し込めば、シュワシュワと爽やかな至福の瞬間が訪れる。そんなビールは、当然のことながら飲み物。煮込み料理や揚げ物の衣といった料理に使われることはあるが、“ビールフライ”と聞いたら、どんな料理を思い浮かべるだろうか。米国で開催されるお祭りの料理コンテストで、先日、最終選考に残った8品が発表されたのだが、その中にビールを液体のまま中に閉じ込めたフライが出品され、メディアの注目を集めている。       

“ビールフライ”が出品されたのは、テキサス州ダラスで毎年秋に開催されるお祭り「State Fair of Texas」内の「Big Tex Choice Awards」という料理コンテスト。このお祭りは多くの大手企業がスポンサーとなり、盛大に開かれることで地元ではよく知られている。会場には各スポンサーの展示ブースや乗り物などのアトラクションを設置。さらに連日アーティストを招いての大規模なコンサートや、鉄道・自然などを扱った博物館もオープンと、まさに年齢を問わず楽しめる一大アミューズメントパークと化すという。

そんなお祭りで、2005年から揚げモノ料理に関するコンテストとして開かれるようになったのが、「Big Tex Choice Awards」だ。

このコンテストで競われる要素は大きく2つ、“おいしい”か“独創的”な料理。これまで“おいしい”のタイトル「Best Taste」を受賞した作品には、サンドイッチやチキンなどが並ぶが、問題は“独創的”な「Most Creative」の数々。こちらは「バターフライ」や「コーラフライ」など、食欲がそそられるかは別として、やや奇抜な食材の組み合わせの料理が出品されてきた。そして今年、注目を集めているのが件の“ビールフライ”だ。

考案者はマーク・ザベルさんという男性。ザベルさんは2008年から同コンテストへの参加を始め、昨年は「Sweet Jalapeno Corn Dog Shrimp」という、エビを使った料理で決勝に残った実力者だ。そのザベルさんは今年、3年の歳月をかけて研究・開発した“ビールフライ”でコンテストに参加。8月下旬に発表された決勝進出者の中に、しっかりと残ってきた。

この料理はラビオリのような生地を用い、中の空洞部分にギネスビールを入れて閉じたもの。米放送局CBSによると、制作過程は非公開で、どのような方法でビールを包んでいるのかは残念ながら謎だ。揚げているシーンを動画(※Googleなどで「fried beer」を動画検索するといくつか見ることができる)で見る限り油の温度は低そうで、じっくりと生地に熱を加えている様子。そうして出来上がった“ビールフライ”の真ん中を割ると、しっかりと液体のビールが流れ出てくる。

すでに「fried beer.」で商標登録も済ませているというザベルさん。コンテストの優勝者は9月6日に発表されるそうだが、受賞にはかなり自信があるらしい。“ビールフライ”の公式サイト「friedbeer.net」には、勝利を確信しているようなコメントも掲載されている。

ちなみに、今年のコンテストで決勝に残った料理には、ほかに「チョコレートフライ」や「レモネードフライ」といった名前も並ぶが、最大のライバルになりそうなのは、アイスクリームの天ぷらを彷彿させる「フローズン・マルガリータフライ」か。どのような味なのかは気になるところだが、油の中で液体が漏れだしたときの危険性を考えると、素人は決して真似して作らないほうが良さそうだ。

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