泳ぐように疾走するサメ型ボート、ジャンプや回転など動きも自由自在。

2010/08/18 10:19 Written by Narinari.com編集部

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水上オートバイやヨット、クルーザーなど、海のレジャーを楽しむための乗り物はさまざまだが、ウォータースポーツ好きの技術者が開発したという、ある乗り物が話題を呼んでいる。それは見た目がサメにそっくりな、流線型のボディを持つ2シーターのボート。水面と同じ高さからスピード感あふれる景色が楽しめるほか、ジャンプやひねり回転もできるのが特徴で、中東の富豪などから予約が殺到しているそうだ。

インパクト抜群のこのボートを開発したのは、37歳のニュージーランド人技術者ロブ・イネスさん。英紙デイリー・メールによると、ウォータースポーツを趣味としていたイネスさんは、友人のダン・ピアザさんと共に趣味をそのまま仕事にしようと、12年前にボートを製造する会社「Innespace Productions」を設立した。しかし、さすがに趣味の延長線上にある仕事とあって、ただのボートを作るわけではない。彼らは最初から「刺激的かつ安全」(Innespace Productions公式サイトより)なボートの製造を目指していた。

そして誕生したのが、美しい流線形の「Seabreacher」なる乗り物。「飛行機とボートの中間」(デイリー・メール紙より)とイネスさんが語る「Seabreacher」は、コックピットのような空間に乗り込んで操縦するのが特徴だ。これにより、水上オートバイのように風を切ってスピード感を味わうのは無理だが、その分、機敏な動きから生まれる独特な景色が楽しめる。12年前に1号機が誕生して以来、同社は日本のテレビ番組でも紹介されたことがある“イルカ型”の「Innespace Dolphin」や「Seabreacher J」など、いろいろな形のボートを生み出してきたが、今回話題となっているのは「Seabreacher X」という“サメ型”のボートだ。

水面に浮かんでいる様子だけを見ると、単に色をサメに似せただけに見えなくもないが、疾走する姿はまさにサメ。全長は約5メートルで、260馬力のエンジンを搭載し、水上では時速約80キロ、水面下では約30キロでの走行ができる。また、20秒間潜行した後に、水面から3.5メートル近くまでジャンプすることも可能だ。

さらには船体を回転させて横向きになったり、逆さまになったりと、その動きは自由自在。そんな自慢のボートの値段は約800万円と、やはり安くはない。ただ、お金に余裕のある人からは人気を集めているそうで、イネスさんは「中東ではかなりの人気。ほかに韓国やカリブの客にも売った」と話している。

相手が金持ちとなれば、中の設備も当然豪華だ。音楽を楽しむステレオ以外に、外の様子を捉えるカメラや、後部座席に乗った人が飽きないようにと、テレビゲームを楽しむための液晶スクリーンも搭載。最近はドバイの客からのリクエストでエアコンも付けたという。

スタッフ7人がかりで3か月に1台しか作ることのできないこのボートは、現在「31人待ち」というほど大人気。イネスさんは「大衆向けに製品を出すことには興味がない」(デイリー・メール紙より)としており、趣味と実益を兼ねた仕事で十分な顧客を獲得している現状に満足しているようだ。

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