犬のフン放置に怒りのポスター、ニューヨークの街中でマナー向上訴える。

2010/08/15 17:03 Written by Narinari.com編集部

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多くの人が行き交う公共の場では、他人の迷惑にならないようにお互いが心がけるのは当たり前のこと。しかし、周囲はお構いなしとばかりに、自分勝手な振る舞いを見せる人の話題も少なからず聞かれる。何を考えているのかわからない相手に、注意するのも憚られる今の世の中。それでも見て見ぬふりができなかった米国のアーティストは、自身の才能を活かしてある行動に出た。それは犬のフンを路上に放置する飼い主に向けたポスターを、ニューヨークの街中に張り出していくというアピールだ。

このポスターを作ったのは、ニューヨーク生まれでアーティストとして活動するジェイソン・シェロヴィッツさん。米情報サイト「GAWKER ARTIST」によると、1979年生まれで、2001年からポップアートのアーティストとして活躍している彼は、今年4月にもニューヨークの地下鉄駅に乗客のマナー向上を訴えるポスターを突如張り出し、メディアの注目を浴びた。

当時、シェロヴィッツさんは10種類の注意書きを記した366枚のポスターを作り、いくつかの地下鉄駅に掲示。そのポスターの数々は彼の公式サイトにも掲載されており、「ヘッドホンの音漏れ」「体のぶつかりあい」「席の座り方」といった日本でも共通するものや、「宗教活動」といった問題まで、公共の場を気持ち良く利用するためのマナーを呼び掛ける内容となっている。

ただ、彼のポスター掲示はすべて無許可。このときは地下鉄当局の許可を取らなかったため、張り出すや否やすぐに剥がされてしまったという。それでも「ポスターを見て笑っている地下鉄職員がいたのを見た」(米紙ニューヨーク・デイリーニューズより)というシェロヴィッツさんは、これに懲りず次のアクションとして考えたのが今回の「犬のフン」に関する活動だ。

米ブログメディア「NYC The Blog」によると、今回の活動はニューヨークの情報を発信するブログメディア「Gothamist」のコメンテーターからの提案で行ったという。「縦約2メートル、横約1.2メートル」(米ブログメディアDNAinfoより)の大きなポスターは、犬が踏ん張って用を足している様子をリアルに描いたもの。そして「あなたの犬が“した”後はこれを使って」との吹き出しをたどると、そこにはフンをしまうためのビニール袋も付けられている。

ニューヨークの街中に3作品が飾られた彼のポスターは、犬の飼い主らの評判も悪くないようだ。ポスターが貼り出された場所の近所に住む女性は、背中を丸めて用を足す犬の絵を見て思わず笑みがこぼれたそう。この女性は「飼い主にフンの片付けを思い出させるなら、良いことよ」(DNAinfoより)と、ポスターを好意的に受け止めている。「雨が降れば、下水道かどこかに流れて行くだろうと考える無責任な人が多い」と、常識のない飼い主に怒りをぶつけるシェロヴィッツさん。このポスターが街のモラル向上に役立って欲しいところだ。

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