東芝が世界初の「忘れ去るHDD」、本体を機器から外すとデータ無効化。

2010/08/10 19:44 Written by Narinari.com編集部

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東芝は8月10日、HDDを搭載機器から取り外すだけで記録データを無効化する世界初の「忘れ去るHDD」を発表した。HDD盗難による情報漏洩の防止、機器のリース期間終了時や廃却時などのデータ消去といった利用シーンを想定している。

近年、パソコンだけでなく、デジタル複合機などのOA機器内にもHDDが多く搭載されるようになったことで、課題として浮上したのが「情報漏洩の防止やデータ消去作業の迅速化」だ。これまでHDD内のデータを無効化する方法としては、HDD自体の破壊や強力な外部磁界で磁気データを消去するといった物理的な方法のほか、HDDにほかのデータを上書きするといった方法が一般的だった。しかし、これらの方法だと、専用設備や処理に長時間を要するなど改善の余地があった上に、HDD盗難の場合にはデータが無効化できないという問題が残されてしまう。

そこで同社が今回開発したのは、ディスク上に記録された暗号化データを解読するための「暗号鍵」について、搭載機器から取り外すなど、HDDへの電源供給が断たれた場合に自動で消去し、記録データを瞬時に解読不能とすることで無効化する技術。HDD内の記録領域を複数に分割し、各領域について「電源オフ時にデータを無効化する」「電源オフでもデータは無効化せず暗号化状態で保護する」といった属性の設定も可能だという。

今回の新技術や暗号化技術を応用したデータ無効化技術を、東芝は「忘れ去るHDD」技術と総称。新たなHDDの情報セキュリティ技術として提供するとともに、よりユーザーのニーズに合わせた機能の実現に向けて、さらなる開発を進めていく。

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