道案内の“有料化”はアリかナシか、「尋ねるなら買って」貼り紙が話題に。

2010/08/10 13:50 Written by Narinari.com編集部

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一つ一つは小さなことであっても、それが積み重なって増えてしまうと簡単に片付けられなくなることはままある。中国の駐輪場で働くある女性は、これまで本業の傍ら、道に迷った人たちに親切に道を教えてきた。しかし、いつしかそれが本業に支障を来たすまでになってしまい、貼り紙を出してタダでの道案内を拒むようになったという。

湖北省武漢市のバスターミナル近くにある駐輪場。同市の漢口駅(新駅)にも近く、連日多くの人が行き交う場所にある駐輪場の窓口には、1枚の注意書きが貼られている。それは「道を尋ねるなら買って下さい。どうぞよろしくお願いします」。貼り紙は8月1日に掲示されたものだ。

中国紙荊楚網によると、この女性は毎朝6時に出勤するそうだが、本業の自転車管理以外に「道案内」に多くの時間を割いている。中でも多いのがバスの路線に関する質問で、彼女はバスのダイヤを記憶し、誰が来てもすぐに質問に応えられるように準備しているそうだ。しかし、あまりに膨大な「道案内」業務に辟易してしまい、貼り紙をすれば「少しは緩和されるだろう」との思いからこのような処置に至った。駐輪場では新聞雑誌や飲料を販売しており、貼り紙の「買って下さい」はこれらの品物を「何か購入すること」を意味している。

とは言え、こうした貼り紙を不快に感じる人も。ある人は「“道を尋ねるならば買って下さい”というのならば、道案内費を徴収するのと同じ」と言い、別の人は「道案内だけで何かモノを買わすなんて道徳心がなさ過ぎる」と不満を漏らす。中には「スーパーの袋にお金がかかるのと同じ。もしそんなに多くの人が道を尋ねてくるならば、お金を取っても良いのでは」と理解を示す人もいるが、こちらは少数派だ。

ただ、漢口駅近くに位置する別の駐輪場の管理人は「確かに道を尋ねる人は多い」と認めた上で、「無理にそうした人たちにモノを買わせようとは思わない」と語る。というのも、道を尋ねてくる人は、親切に教えてあげると高い確率でモノを買ってくれるから。そのため、わざわざこうした貼り紙をしなくても問題ないと考えているようだ。

いずれにせよ、駐輪場は自転車を管理する場所であって、道案内が本業ではないのは事実。もともとは女性も親切心から道案内をしていただけに、本業に悪影響が出たり、批判を浴びてしまうのは、ちょっと気の毒な話かもしれない。

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