犬に指噛み切られ病気が判明、飼い主は怒らず「命助けてくれた」と感謝。

2010/08/05 18:10 Written by Narinari.com編集部

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このほど米国で、飼い主の足の指を噛み切った犬が話題を呼んでいる。それだけ聞けば「過激な犬だ……」と思われてしまうが、けがを負った飼い主が病院で足の治療を受けたところ、重い糖尿病であることが判明。このため、指を失ったことに怒るどころか、「命を助けてくれた」と愛犬に感謝しているそうだ。

右足の親指を噛み切られたこの飼い主は、ミシガン州ロックフォードに住む48歳の男性、ジェリー・ドーセットさん。米紙グランド・ラピッズ・プレスによると、7月末の週末、ジェリーさんは自宅近くのレストランで4、5杯のビール、2軒目の店でマルガリータ2杯を飲み、泥酔状態だったという。妻のロージーさんが車で迎えに行って彼を家に連れて帰ると、ジェリーさんはそのままベッドに倒れ込んだ。

何とか夫を寝かしつけたロージーさんが一息ついたのも束の間、すぐにベッドルームから夫の悲鳴が聞こえて来た。「爪先がない、爪先がなくなった」(グランド・ラピッズ・プレス紙より)と叫ぶ夫の足下は血だらけ。なんと、愛犬のキコがジェリーさんの右足親指を噛み切ったのだ。家の中を探しても、どこにも噛み切られた親指は見つからず「彼は食べたに違いない」と話すジェリーさん。とにもかくにも、酔った大の男を運んできたばかりのロージーさんは、今度は自分が看護師として勤める病院へと急いで送り届けることになった。

そこで何とかケガを治療してもらったジェリーさんだったが、思わぬ診断結果を知らされる。血液検査を行ったところ、「80から120が正常の値」とされる血糖値が、彼の場合「560」という高い数値に。さらに、噛み切られた親指の骨に、糖尿病によるものと見られる感染症が見つかり、わずかに残されていた親指も切断となったそうだ。

実は、ジェリーさんも自分の体に起きている異変を分かってはいた。数か月前、爪先部分に出来物があることに気が付き、ナイフで皮膚を切ったという。ところがその傷は悪化してしまい、靴を避けて「サンダルを履かなければならないほど」膨らんでしまった。その後、しばらくは誰にも話さなかったが、ある日妻に見つかって病院に行くよう促されたものの、病院を嫌がるジェリーさんは結局診察を受けることなく、これまで過ごしていたそうだ

振り返ると、患部からは「匂いがした」と語るジェリーさんは、犬を飼う人の家に訪ねた際に、どの犬も「私の足の匂いを嗅いでいたと思う」。米放送局ABCは、ノースアイダホ動物病院の獣医マーティー・ベッカー博士の「血糖を求めて、犬は傷口をなめるのを好む」との説明を紹介しているが、どうやらキコは、ジェリーさんが持つ高い血糖の匂いを爪先の傷口から感じ取り、今回噛み切ってしまったようだ。

診断の結果、ジェリーさんの場合は不規則な生活習慣や食生活が原因とされる「2型糖尿病」とされ、彼は今後アルコールを飲まないと決めたそう。ジェリーさんは、糖尿病の現実を突きつけてくれたキコを「ヒーローだ」(米放送局CBSより)と感謝。しかし、「キコは二度とそんなことしないと思うよ」としながらも、怖い気持ちもあるのか「でも、いま寝るときは靴を履いてるけどね」とも話している。

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