賭けに勝った金を寄付する男、困った人を募り救済する現代版ロビンフッド。

2010/08/04 16:24 Written by Narinari.com編集部

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中世の時代、悪政に苦しむ住民を助け、略取された財産を盗み出しては分け与えた英国の英雄ロビンフッド。米国に、そんな義賊に憧れるプロギャンブラーの男性がいる。超高級ホテルで優雅な時間を過ごしたり、所有するプライベートジェットでカジノへ向かったりと、相当な荒稼ぎをしているこの男性は、「ギャンブルの才能を活かしてお金に困っている人を助けたい」と自ら開いたサイトに希望者を募り、その人たちにお金を渡せるよう勝負を行っているという。

身元を公にせず、年齢も不詳ながら、自らをラスベガスの郵便番号と合わせて「ロビンフッド702」と呼び、昨年あたりからジワジワと欧米メディアを賑わせているこの男性。英紙デイリー・メールによると、ギャンブルの道に入ったのは16歳のときだった。彼はガソリンスタンドなど数々の仕事をこなしながら、「お金持ちになるため」の方法を2つ考えたそうだ。ひとつはギャンブラー、もうひとつはクスリの売人。どちらも危険なニオイがする発想だが、「刑務所には行きたくない」との判断から、ギャンブラーの道を歩むことを選択した。

その結果、今では有り余るほどの財産を手にし、米国のセレブとも親交を持つほどまでに成功。お金に関しては「自分も辛いときを過ごした経験がある」(米放送局FOXより)ため、40代になって多くの人に自分のような経験を「少しでも味あわせてあげたい」と考えたという。そこで2008年にサイト「robinhood702.com」を開設。お金に困っている人を募り始めると、すぐに数千の応募があったほど、瞬く間に人気サイトとなった。

応募者の中には単にお金を無心するような人も含まれていたそうだが、彼は依頼人の状況を見ながら厳選。その中の1人に選ばれたのが、脳腫瘍を患う幼い娘を持つカート・ケグラーさんだった。治療に必要な薬代がかさみ、借金を抱える生活を余儀なくされたケグラーさん一家は、ロビンフッド702の目に留まるとラスベガスの5つ星ホテルに招待されたという。もちろん、移動する飛行機のファーストクラス代やホテルのスイートルーム代は彼持ちだ。

ギャンブラーとして、あくまでも「カジノから奪ったお金をあげる」のが彼のルール。すべてを彼の腕に委ねたケグラーさん一家のケースでは、ブラックジャックでいきなり30万ドル以上(約2,600万円)の負けを背負い込んでしまった。しかし、プロの意地にかけて勝負を継続し、最終的にはケグラーさん一家が抱えていた負債3万5,000ドル(約300万円)分をきっちり勝ち、そのままお金を渡したそうだ。

大喜びのケグラーさん一家に、ロビンフッド702も人を助けた喜びで「部屋に戻って泣いた」(デイリー・メール紙より)という。その後もこの活動を続け、これまでに60万ポンド(約8,000万円)以上をいろいろな人たちに渡してきた。

「お金を持っている人は、運が足りない人たちに流すべき」と話し、知り合いの富豪にも活動に参加するよう声を掛けているロビンフッド702。こうした彼の行動にはハリウッドの関係者も注目しているそうで、いずれ彼を題材にした“現代版ロビンフッド”の映画が見られる日も来るかもしれない。

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