西村主審がW杯誤審騒動に口開く「100%確実にやることは難しい」。

2010/07/01 08:01 Written by Narinari.com編集部

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ベスト8進出国が決定し、盛り上がりが最高潮に達しつつあるW杯。しかし、決勝トーナメント1回戦で起きた誤審騒動は依然尾を引いており、中には「当該審判は襲撃されるかもしれない」などといった物騒な話も聞こえ始めている。そうした中、現在W杯で主審を務めている西村雄一氏が、問題となっている誤審騒動について口を開いた。  

誤審騒動が起きたのは、決勝トーナメント1回戦のドイツ対イングランド戦とアルゼンチン対メキシコ戦。ドイツ対イングランド戦ではイングランドのフランク・ランパード選手が放ったループシュートがゴールラインを越えたものの、ノーゴールと判定され、結果としてイングランドはドイツに1−4というスコアで大敗を喫した。また、アルゼンチン対メキシコ戦では、アルゼンチンのカルロス・テベス選手の先制点が明らかなオフサイドポジションであったにも関わらずゴールとして認められ、メキシコも1−3というスコアで敗れている。

西村主審は中国メディアから今回の誤審騒動について問われ「審判とはこういうものです。100%用心するとは言えるが、100%確実にやり遂げることは難しい。試合の情勢はよく変わり、いかなることも起こり得るのです」と一定の理解を示している。同じ審判として、W杯のような大きなプレッシャ−のかかる大会では、こうしたミスの可能性を排除するのは難しいということなのであろう。

ちなみに、中国メディアが西村主審に誤審騒動に対する意見を求めたのは理由がある。西村氏が今回の大会で主審を務める、唯一の東アジア人であるという点が注目されているだけでなく、2005年に韓国で開催された東アジアサッカー選手権において、中国代表は西村主審による誤審問題の当事者だったためだ。

東アジア選手権初戦の中韓戦、西村主審はファウルを犯した中国代表選手を間違えてしまい、実際にはファウルを犯していない選手を試合開始5分で退場させてしまった。その代わり、退場させられるべきであった選手が普通にプレイを続け、後半40分にレッドカードを提示されて退場。同じ選手が1試合で2度“退場”するというおかしな現象が起きてしまった。この誤審に関して、西村主審は当時を振り返り「(間違って退場させてしまった選手に)すまなく思う」と謝罪している。

いずれにせよ誤審は、今回の件や2005年の東アジア選手権の件からもわかるように、被害に遭った国のサッカーファンからは根に持たれるもの。人間が機械のように正確な判断をすることが不可能なのは事実だが、真剣勝負のスポーツの世界だけに、審判団には出来得る限り慎重かつ正確なジャッジを期待したいものだ。

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