古いことわざを覆した「赤ちゃんトラ失踪事件」、結末に中国人驚く。

2010/06/10 18:56 Written by Narinari.com編集部

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ここ数日の間、中国の動物園を舞台に話題となっていた“赤ちゃんトラ失踪事件”。4頭の生まれたばかりの赤ちゃんトラが次々と失踪し、その行方が心配されていたのだが、このほど事件はあっけなく解決。それは古くから中国で言い伝えられている諺(ことわざ)を覆す結末で、多くの中国人の関心を呼んでいる。

“赤ちゃんトラ失踪事件”が起きたのは湖北省武漢にある武漢動物園。同園では5月28日に4頭の赤ちゃんトラが誕生したが、5日後の6月2日午前、飼育係がエサを食べさせようと檻に入ったところ、1頭の赤ちゃんトラが忽然と姿を消していた。続く6月3日にはもう1頭が失踪。そして翌日の6月4日午前にはさらに1頭が消え、結局、4頭いた赤ちゃんトラは1頭になってしまった。

事態を重く見た動物園関係者は、園内の専門家による調査を実施。檻がまったく傷付いていないこと、鉄の手すりに血痕が残されていたことから、専門家は母トラの仕業以外にはありえないと断定し、「母トラが赤ちゃんトラを食べた」という結論に至った。

気になるのはなぜ母トラが赤ちゃんトラを食べてしまったのかだが、専門家は人の手によって育てられたトラは育児経験がないことや、周囲の騒音によるストレス、赤ちゃんトラに人間の匂いが付着していたことなどを理由として挙げている。また、野生動物の場合、子どもが多くて育てられないと、親が子どもを食べてしまうこともあるという。

この一件が中国で衝撃的に受け止められているのは、「虎毒不食子」という有名な諺があるから。直訳すれば「虎は凶暴だが自分の子どもは食べない」で、一般的に「どんな悪党でも自分の子どもには深い愛情を持っているもの」という意味で使われる。そのため、今回の事件発生には「まさか虎が自分の子どもを食べるとは」との驚きの声や、中には最近多発している子どもに対する虐待事件を引き合いに「今の時代を反映しているようだ」といった声も上がっている。

なお、残された1頭の赤ちゃんトラは、母トラから引き離されて2匹の子犬を持つ母犬に預けられることに。1匹の子犬を別の場所に預け、代わりに母犬には赤ちゃんトラを育てさせているそうだ。

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