広大な敷地で迷子になった3歳の少女、愛犬に寄り添いながら寒さしのぐ。

2010/05/31 12:06 Written by Narinari.com編集部

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コミュニケーション能力に優れ、数多くのシーンで人を支えてくれる犬。普段人の世話を受けながら暮らしていても、いざとなれば窮地に陥った飼い主を救い出すこともあるだけに、その潜在能力は計り知れない。先日オーストラリアでは、自宅の広大な敷地の中で、3歳の女の子が迷子になるという一件が起きた。辺りは日が沈み気温も低下。女の子の健康面への不安から、警察や消防ボランティアの協力で懸命の捜索を行われたのだが、そのとき、女の子にも捜索隊にも助けとなったのが、彼女の家で飼っていた愛犬だった。

豪紙デイリー・イグザマイナーによると、この一件が起きたのはニューサウスウェールズ州マイルフォードに住む、デイビッド・ベーコンさん宅。平たく言えば、3歳の娘イモージェンちゃんは、自宅の庭で迷子になったのだ。実はベーコンさんが所有する敷地は86エーカーと、東京ドーム約7個分の広さに及ぶ自然豊かな場所。生後4週間となる6人目の子どもにつきっきりだった母ニコルさんが、イモージェンちゃんがいなくなっているのに気付いたのは、5月14日午後5時前後のことだった。

「大の動物好き」というイモージェンちゃんは、この日3匹の飼い犬とともに近所で飼われている羊に会いに出かけたそう。その後2匹の犬は戻ってきたが、イモージェンちゃんともう1匹のジャック・ラッセル・テリア犬、サムが家に戻らなかった。気が付いてから30分、学校から戻ってきた4人の兄弟と辺りを探したものの彼女は見つからず、不安になったニコルさんはカジノで仕事中のデイビッドさんと警察に連絡。消防ボランティアも参加し、80人態勢でイモージェンちゃんの捜索が行われた。

そして捜索を始めて3時間弱。デイビッドさんや兄弟は敷地の中を隅々まで探す一方で、警察とボランティアは家の西側2キロに渡って懸命の捜索を続けた。すると、ボランティアの1人が犬のかすかな鳴き声に気が付き、声のするほうを慎重に捜し始めたという。車が深い茂みを抜けること4度、捜索隊を目にしたサムはすぐさま駆け寄り、結果、木の下にたたずむイモージェンちゃんを無事発見。気温の低下に加え、靴下が濡れた状態で見つかったイモージェンちゃんは寒さで震えていたそうだが、サムはずっとそんな彼女に寄り添っていたようだ。

「いつも家にいる」サムが、イモージェンちゃんの傍を離れなかったことに、母ニコルさんは「彼は信じられないほど忠実」と感激。どうやら彼女は迷子になっている間、サムに抱きついて寒さをしのいでいたと見られている。捜索隊の歓喜をよそに、何が起きたのかわからず平然としていたというイモージェンちゃん。周囲を心配させた迷子の状況も、彼女にとっては信頼できる“家族”との冒険くらいにしか思っていないのかもしれない。


◇4月には他界した飼い主の老人を見守り続けたケースも

飼い主に寄り添う愛犬の話は、4月にも米国メディアで話題を呼んだ。オハイオ州に住んでいた81歳の男性が飼い犬とともに突然行方不明になり、身内や警察が懸命に捜索。しかし1週間後、残念ながら男性は湿地帯で遺体で発見されたのだが、存在を知らせたのは付き添っていた愛犬だった。不明後、すぐに亡くなったと見られる男性のそばを離れず、周囲の水だけで生き延びた犬は、1週間経ってようやく近くに現れた通行人に気付き、必死の鳴き声で存在をアピール。男性の発見に繋がったという。

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