「仕事に就かない人」が一転、誰もが認める中国No.1ロボット発明家の秘密。

2010/05/28 11:57 Written by Narinari.com編集部

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リヤカー引きロボットや書道ロボット、囲碁・将棋ロボットなど、これまで50体近くのロボットを発明し、中国で“最も聡明な農民発明家”とまで呼ばれる呉玉禄さん。小学校卒という学歴ながらも、ロボット発明に果敢に挑戦し続けるその姿は多くの中国人の関心を集め、昨年は呉さんのロボットが中国の国家プロジェクトである有人宇宙船「神舟7号」とともに展示される機会を得たほどだ。そんな呉さんが発明するロボットには、実は呉さんの“性格”が大きく影響しているという。長年呉さんに連れ添ってきた妻が中国紙新聞晨報に明かした「ロボット発明の秘密」とは、いったいどのようなものなのだろうか。

現在開催中の上海万博にロボットを出展している呉さん。メディアでは「呉さんのロボットが世界デビュー!」などともてはやされているが、呉さん自身は万博そっちのけでロボット作りに精を出している。呉さんの妻・董淑艶さんが「せっかく上海まで来たのに、いつもロボットの部品漁り。私との観光なんてそっちのけ」と愚痴を漏らすほどだから、呉さんのロボット発明熱が相当なものであることは想像に難くない。

これほど熱心にロボット発明に精を出す呉さんのこと、さぞかし生真面目な人物であろうと想像するかもしれない。しかし、董さんは「夫のロボット発明の原動力は“怠惰”」と断言する。と言うのも、これまで呉さんがロボットを誕生させるまでには、少なからず呉さんの“怠惰”が関係しているからだ。

例えばリヤカー引きロボットの誕生は「お金がなくて車が買えなかったから」。数日で完成させた背中かき機は「自分で背中をかくことが面倒だったから」、制作に3か月を費やした食器洗いロボットは「自分で洗いたくなかったから」などなど。

呉さん自身、妻のこの分析には納得しているようで「最終的な理想は家政婦ロボットの発明。一声かければ24時間私のためにサービスしてくれるんだ」と夢を語っている。

呉さんは有名になる以前、いつもロボット用の廃棄部品集めに奔走している姿を見た周囲から「まじめな仕事に就かない人」と偏見の目で見られていたという。しかし、今では中国で誰もが認める発明家。「必要は発明の母」の言葉通り、自分の生活に必要なモノを次々と作り続ける呉さんにとって、“怠惰”は湧き出るアイデアの源となっていることは間違いなさそうだ。

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