手軽に温かな一杯、お湯が沸かせるオシャレなマグカップを学生が開発。

2010/05/13 10:30 Written by Narinari.com編集部

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温かい飲み物を飲むのに、いちいちやかんでお湯を沸かすのは無駄も多いし面倒、と思っている人もいるかもしれない。そう考えた21歳と22歳のアイルランドの学生は、手軽に一杯を作れるようにと、カップのままお湯を沸かせるおしゃれな容器を開発した。その名も、やかん(kettle)とマグカップ(mug)を合わせた「Kug」。若者にも好まれそうな見た目だけでなく、誰でも利用しやすい点が評価されて賞を受けたこともあり、注目が集まっている。   

アイルランド国立アート・デザイン大学3年生、21歳のベン・ミレットさんと22歳のアラン・ハリソンさんは、昼食を食べるときにこのアイデアがひらめいたそうだ。2人は研究の一環として、常日頃から生活に役立つ物を作ろうと気にかけていたという。そんなとき、昼食で1杯のお茶を飲むのに、やかんを持つ女性が多いことに着目。女性らに話を聞いてみると、「女性にとって、やかんを持つのがどれだけ大変なのかが分かった」(英紙デイリー・テレグラフより)。    

1杯のお茶を飲むために、やかんに入れた水が沸くまで待ち、カップにティーバッグを入れて、重いやかんを持ち上げてお湯を注ぐ。この行程を何とか短縮し、楽にできないものか考えた2人は、その2か月後には「Kug」を開発していた。やかんとマグカップを合わせた名前からも分かる通り、「Kug」はカップごとお湯を沸かせてしまうスグレモノ。飲み物を入れるカップ部分と、容器にはめ込む電熱器部分の2重構造になっている。つまり、カップに水を注いでセットし、電源をコンセントに差し込めば、いつでも温かい飲み物が用意できるというわけだ。

しかも水を沸騰させるまでに、わずか90秒足らずしかかからない(※同じ電気でお湯を沸かす電気ケトルも、カップ一杯分は同程度)。そのスピードが信じられなかったのか、アイルランド紙アイリッシュ・タイムズなどは、時間を間違えて「90分」と掲載。「Kug」公式サイトでは、紙面のその「minute」の部分に赤丸を付けて、「seconds...」とお茶目に訂正している。

また「保温温度は、カップの位置をずらすことで調節できる」(アイルランド紙アイリッシュ・インディペンデントより)とのこと。車の中や仕事場など、電源が使えればどこでも簡単に温かい飲み物が楽しめると、公式サイトも利便性をアピールしている。

人気カフェで利用されるタンブラーのようなスタイリッシュな形に加え、赤や青、緑などカラフルな色を取り揃え、幅広い年齢層で利用されそうな「Kug」。4月26日には、関節炎の人のために慈善活動を行う「Arthritis Ireland」とファイザー製薬から、「Easy to Use Design Awards」なる賞を受賞した。この賞の選考では、関節炎やリウマチに苦しむ人に大いに役立つと認められ、「審査員が満場一致」(アイリッシュ・タイムズ紙より)で選出したという。現在2人は、大量生産の準備を進めており、「今年中には店頭での販売をしたい」(デイリー・テレグラフ紙より)と意気込んでいるそうだ。

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