いなくなった大好きな飼い主を探して? 2階から繰り返しダイブした犬。

2010/05/08 15:12 Written by Narinari.com編集部

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犬は人間が注いだ愛情の分だけなつき、気持ちを返してくれる動物。言葉は通じなくても固い絆を結ぶことができ、それを飼い主が実感できるのも優れたところだ。しかし、同時に言葉が通じないからこそ、人間がとる突然の行動が犬に強いストレスを与えてしまう場合もあるのかもしれない。

英ノースヨークシャー州ホイットビーに住む21歳のデイブ・リーさんは、このたび晴れて恋人と一緒に暮らすため、実家を離れることになった。新たな住まいは実家から3マイル(約4.8キロ)離れた場所。それでもデイブさんは過去に離婚して独り身となっている母サンディさんのために、週に1度は実家を訪れるという親孝行な青年だ。優しい息子が旅立ち、少しは寂しい気持ちも起きそうなものだが、そんな母親の気持ちを冷静にさせてくれるくらい、強烈にデイブさんを気にする家族がこの家にいた。

それは飼っていたスプリンガースパニエルとコリーのクロスのレイシー(6歳メス)。デイブさんが愛する恋人との生活を始めたのを知ってか知らずか、彼が家を出て数日後からおかしな行動を始めたという。

IT関係の仕事をしているデイブさんは、特にレイシーと仲良しだった。家を出る前の数週間は仕事が無かったこともあって「一緒に多くの時間を過ごしていた」(英紙サンより)とサンディさんが語るほど、濃密な日々を過ごした様子。それだけに、突然家からデイブさんがいなくなったことに、レイシーは強い不安を感じてしまったようだ。

デイブさんが家を出た後、サンディさんと散歩をしていたレイシーは、突然手元を離れて逃げ出した。「いつもはそんな行動をしない」レイシーが向かった先は、デイブさんとよく通ったパブだったという。さらにその後、1階のドアや窓は鍵を閉めていたにも関わらず、家にいたはずのレイシーがいつの間にか外で駆けているのを見てサンディさんは不思議に思った。どこから外に出たのか調べてみると、2階の台所の窓が半開きの状態に。レイシーが2階から飛び降りるという荒技をやってのけるとは、さすがにサンディさんも最初は思いも寄らなかったようだ。

しかし、レイシーの2階からの無謀なジャンプは1度では終わらなかった。サンディさんが知らぬ間に再び自力で台所の窓を開け外に出たレイシー。足から血を流し、ふらふらと歩く姿が近所の人に見つかり、連絡を受けたサンディさんはレイシーを病院に連れていった。足のケガに加え、ムチ打ちまで負っていたレイシーは、同時に大好きな人と離れるのを過剰に感じる「分離不安」との診断も医者から下されたという。こうした一連の行動を、サンディさんは「レイシーとデイブは別れられなかったのね」(デイリー・メール紙より)、「デイブを探しに行っている」(サン紙より)と感じているそうだ。

現在は匂いで気持ちを落ち着ける治療を行っており、少しずつながら心身ともに「良くなってきている」そう。とにかく今は、レイシーがそのまま落ち着いた状態が続くのを「本当に望む」と願うばかりのようだ。

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