「女性が地震を起こす」実験は大盛況、台湾で発生した地震との因果関係は?

2010/04/28 06:18 Written by Narinari.com編集部

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先日、イランの聖職者が「女性が控えめな服装をしなければ、地震が引き起こされる」と発言したことを受け、米国の女子大生がネットで参加を呼びかけた「セクシーな服装だと地震が起きるのか」を試す実験イベントが、予定通り4月26日に行われた。イベント前に欧米の多くのメディアが取り上げた結果、女性の地元インディアナ州のほかに、ワシントンD.C.やカナダのバンクーバーにも参加者が集結。ネットを含めたトータルの参加者は10万人とも20万人とも伝えられるほど、大きな盛り上がりを見せたようだ。一方で、イベント開催日には台湾で大きな地震が発生したが、女性はブログの中でこの地震についてデータを並べながら検証を行い、イベントとの因果関係を否定している。

今回のイベントが行われるきっかけとなったのは、イスラム教聖職者Kazem Sedighi師の一部の発言が欧米メディアに伝えられたことだった。4月16日にイランのテヘランで行われた金曜礼拝で、Sedighi師は「女性が控えめな服装をしなければ、地震が引き起こされる」とも受け取れる内容の発言をしたとされている。この報道を知ったインディアナ州に住む大学生のジェニファー・マククレイトさんは発言に反発。FacebookやTwitterを使って「4月26日は、胸を強調する服を着て過ごそう」と、実験イベントへの参加を呼びかけた。

当初「参加するのは狭い範囲の友人たちに限られる」(米放送局CBSより)と思っていたマククレイトさん。しかし、この呼びかけが大々的にメディアで取り上げられると、当人の思惑を超えて大反響を呼んだ。Facebookで参加を表明した人の数は「23日までに8万人」(CBSより)、「週末までには10万人以上」(米放送局ABCより)と急増。そして4月26日当日、会場となった3か所に多くの人々が集結し、24時間の実験イベントに参加したという。また、Facebookのコメント欄には自らの姿を写真や動画で撮影し、会場に行けずとも個々で行動した様子を投稿する女性の姿も見られ、イベントは大盛況だったようだ。

呼びかけを行ったマククレイトさんは、ブログに自身の服装を写した写真を公開。「恐ろしく恥ずかしいのは、自分でも分かってる」と記した彼女は、グラマラスな胸が強調された赤いキャミソール姿で、恥ずかしそうな笑みを浮かべて写真に収まっている。   

こうして多くの参加者とともにイベントを楽しんだマククレイトさんは、終了後に家のソファーでテレビを見ていると、自分が映った多くのニュースを目にしたそう。これには「私は叫んで、足をばたつかせ、ちょっと涙も」と大感激した様子。ひょんなことから何十万人もの人が集まったイベントを成功させた女性が、家でホッと一息つき、ごく普通の22歳の女子大生に戻った瞬間だったのかもしれない。

ちなみに、イベント当日の午前11時頃には台湾でマグニチュード6.5の地震が発生。これを知ったマククレイトさんは、米国地質調査所から得たデータなどを並べ、客観的な分析をブログで披露した。

その中でマククレイトさんは、地球上で「M6クラスの地震は1年間で平均134回起きている」と指摘。また、2か月前からの1日ごとの地震総数を表すグラフを掲載し、4月26日もそれまでに比べて大きな変化がないとして、台湾での地震も含めて「女性が地震を引き起こす」という発言が間違いだったと結論づけている。

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