中国各地で起きる“発祥地”論争、爆竹の始祖や映画「アバター」なども。

2010/04/23 08:53 Written by Narinari.com編集部

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去る4月16日から18日にかけて、江西省の萍郷市と上栗県が共同で「2010年中国国際花火・爆竹文化節」を開催した。これは花火・爆竹の文化、安全、技術、マーケットなどをテーマにした博覧会だが、博覧会前日に「爆竹の始祖」と称される李畋氏の誕生1389周年を祝う催し物が行われたことが火種となり、3つの地の間で「発祥地」論争に発展している。

と言うのも、先述の李畋氏の“生誕の地”とされる麻石村の位置が不明確であり、上栗県以外にも「当地こそが李畋氏の“生誕の地”」と声高に叫ぶ地域があるため。実際、麻石村は現在の江西省上栗県、湖南省醴陵市、瀏陽市の3つの土地が交わる辺りにあったとされており、いまだに特定されていない。そのため、一地域が「李畋氏の誕生地」を謳うことは他の地域にとっては受け入れ難いことであり、中国有数の爆竹生産地同士のプライドを賭けた戦いになっている。

もちろん、仮にどこか一か所が「李畋氏の“生誕の地”」と正式に認められれば、爆竹の生産及び販売で優位に立つことは言うまでもない。今のところ中国の花火・爆竹生産地として最も有名なのは湖南省瀏陽市だが、場合によってはその勢力図を塗り替えることも考えられる。そうした背景が「発祥地」論争を激化させる所以となっているようだ。

日本でも邪馬台国論争をはじめ、こうした地域間の争いはいくつもあるが、国土が広く、悠久の歴史を持つ中国でも論争が起きやすい。同様のケースとしては、今年1月に映画「アバター」に登場するハレルヤマウンテンのモデル地を巡り、湖南省張家界と安徽省黄山が激しい争いを繰り広げたばかり。また、2009年8月には詩人・李白の誕生地を巡り湖北省と四川省の間で論争が繰り広げられた。しかし、ここ最近になってその争いに甘粛省も加わることとなり、さらに複雑な様相を帯びている。

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