「上半身裸で庭いじり」の是非は、住民苦情などを受け街が出した答え。

2010/04/18 17:55 Written by Narinari.com編集部

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今年3月、コロラド州に住む52歳の女性の行動が米国で話題になった。その行動は「Tバックと手袋だけを着用して、庭いじりをする」というもの。上半身には何も身にまとっておらず、胸が丸見えの状態だったことから、目撃した近隣住民の中には警察に通報する人もいた。しかし、街には「下半身の大事な部分を露出してはいけない」という州法はあるものの、上半身についての決まりは特になし。このため、通報を受けた警察も対応に苦慮し、引き返すしかなかったのだが、先日、街の議会はこの規定について話し合い、女性もその行方を見守っていたという。

問題の女性は、コロラド州ボールダーに住むキャサリン・ピアースさん。自宅の庭の手入れをするとき彼女は、「私たちのやり方」だという“Tバックに手袋だけ”の極端な軽装で作業を行う。あまりに堂々としたその姿は、通行人の目に入ってもお構いなし。逆に通行人のほうが目のやり場に困り、警察に通報する始末だった。ただ、警察も服を着るよう説得したものの、ピアースさん夫妻は「何の法律も破っていない」と一蹴。事態は膠着していた。

過去には地元の湖がヌーディストビーチとして人気を集めたボールダー。ピアースさんの問題以外にも、毎年ハロウィーンの時期に、裸でかぼちゃの頭を被った集団が街を歩くイベント「Naked Pumpkin Run」も開かれていることなどを踏まえ、議会では州法の見直しを検討し、住民からの意見を聞き始めていた。その意見はさまざまで、ピアースさんのケースのように「子どもの目に入る」との懸念の声もあれば、「警察はほかの問題に時間を割くべき」(米紙コロラド・デイリーより)といった声も。ちなみに、この意見を議会で話したというある男性は、裸姿を見て怒っている人に「見なければいい」と提案したそうだ。

そして議員による審議の結果、今回ボールダーでは「10歳以上の人が公共、個人的な場所に限らず、通行人に下半身を露出してはならない」と規定。また警察にも取り締まりを簡便にする権限を与えた。こうして、ボールダーの街の新たな規定が決定したものの、結局上半身については明文化を見送り。ピアースさんは今後も“Tバックに手袋だけ”の姿で庭いじりをしてもお咎めなしとなった。

この決定は、ピアースさん夫妻にもう1つの問題も解決させる。実は、住宅管理当局が近隣住民の声を聞き、「コミュニティに対する規則に違反している」として、ピアースさんの服装を禁止させる計画を立てていた。しかし、今回の議会の決定で住宅管理当局も計画を断念。ピアースさんは晴れて、心置きなく「私たちのやり方」で庭の手入れを行えるようになったわけだ。議会でも証言を行ったピアースさんは、新たな規定に大満足。夫のロバートさんは、「我々に関して言えば、良いことだ」(コロラド・デイリー紙より)と喜んでいる。

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