話題呼んだドラマ「深夜食堂」で再び人気、なぜいま“小林薫”なのか。

2010/04/13 18:24 Written by Narinari.com編集部

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昨年10月からTBSなどで放送された深夜ドラマ「深夜食堂」のディレクターズカット版DVDが、4月23日に発売される。同作は深夜ドラマとしては異例のギャラクシー賞(テレビドラマの賞としては最も権威のある賞の一つ)を受賞するなど各方面で絶賛された作品だが、高い評判を得た理由のひとつは、舞台となる食堂“めしや”のマスターを好演した小林薫の存在だ。

小林薫と言えば、芸歴30年を超える大ベテラン俳優。唐十郎主宰の状況劇場を経て、80年代はじめから「ふぞろいの林檎たち」(1983年)、「イキのいい奴」(1987年)、「キツイ奴ら」(1989年)など、数々の名作に出演し、不動の人気と地位を確立してきた。近年もヒットドラマや映画、CMなど多方面で活躍しているが、「深夜食堂」への出演がきっかけで、過去の代表作を知らない若い世代からも注目を集め始めている。

「深夜食堂」は深夜帯の放送ということもあり、当初は特別大きく注目されたわけではなかった。しかし、小林薫演じるマスターの静かな佇まいと作品の評判が口コミで広がり、テレビドラマ好きの間でジワジワと話題に。その評判は海の向こう韓国にも飛び火し、リメイクの噂も出たほどだ。そして昨年10月度のギャラクシー賞月間賞を受賞。これにより、広く評価と人気を確立した。

小林薫が若い世代のファンを多く獲得したことは、サブカルチャー雑誌「CUT」(ロッキング・オン)や「SWITCH」(スイッチ・パブリッシング)、「クイックジャパン」(太田出版)などで大きく取り上げられたことからも分かる。60歳目前でありながらメタボとは無縁の体型、カジュアルながらもファッショナブルな服装、そして自然体の佇まい。ドラマの主演といえば昨今はアイドルや若手俳優が全盛だが、「深夜食堂」で見せたベテラン実力派俳優だからこそ醸し出せる大人の色気に、多くの若者が魅了されたのは当然なのかもしれない。

「深夜食堂」は東京の新宿ゴールデン街の片隅で深夜0時から開店する食堂「めしや」を舞台に、マスターと客との交流を描いた同名マンガ(作:安倍夜郎)が原作。「マンガ大賞2009」や「このマンガがすごい!2009」にも選ばれるなど、もともと評価の高い作品だったが、ドラマ版も映画監督の松岡錠司監督や山下敦弘監督らの丁寧な演出によって見事な映像化を果たしている。また、劇中に登場する食事はフードスタイリストの飯島奈美(「かもめ食堂」など)が担当。豪華スタッフとキャストによるクオリティの高さが話題を呼んだ。

今回発売されるディレクターズカット版DVDは、各監督がテレビ版を再編集。特典映像として「小林薫×松岡錠司スペシャル対談」「いよいよ開店!営業直前スペシャル」「千鳥みゆき『人生行きあたりばったり』『まよい猫』ミュージックビデオ」「秘蔵映像:愛と青春の『ジャマジャマボーイをぶっ飛ばせ』」「めしやメニュー 全料理アルバム」「『めしや』写真館」などが収録される。価格は10,500円(税込み)。

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