他人所有の空き家を勝手に貸し出していた男、言い訳は「地域のため」。

2010/04/13 05:31 Written by Narinari.com編集部

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米ワシントン州シアトル近郊に住むある夫妻は、事情により自宅を売り出さなければなりませんでした。しかし売却するためにその家を出払い、数日後に管理のために戻ってみると、なんとそこには見知らぬ家族が勝手に住んでいたのです。

この事態に直面したのは、エリック・ボーグさんとその妻アシュリーさん。米ニュースサイトのマウンテンタイムスや米放送局コモによると、夫妻はなぜそのような事態になっているのか調べを進めたところ、これまた見知らぬ不動産業が勝手に物件を貸し出していたことも判明しました。

ところが不動産業者の男は、自分が違法なことをしたとはまったく考えておらず、「(ボーグさんの)家を貸し出していたのは、地域住宅の価値が下がらないようにと、自主的に奉仕でやっていたこと。何が悪いんだ」との持論を展開。

彼のこの“言い訳”の裏には、米国の住宅事情が絡んでいます。ここ数年の景気悪化の影響で、住宅の価値はかなり下がってしまいました。今では家を売りに出そうとしても、購入時の価格よりかなり低くなってしまう時期。しかも、住んでいる地域の治安や、学区の教育水準の高低などによっても、家の価格は大きく変わってきます。

そうした事情に注目したのが先の不動産業者。売りに出されている住宅や空き家が地域にたくさんあると、その分だけ地域のイメージが悪くなり、このままでは残っている住民の不動産価値がさらに下がってしまう。そこで“人助け”のために空き家になっている家を自分が貸し出しておこう……といった発想で今回の行動に出たというのですから、論理が飛躍しています。

もちろんボーグさんをはじめ、担保先の銀行、警察などがこの論理に耳を傾けるハズはありません。住んでいた見知らぬ家族はすぐに追い出されたそうです。

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