同窓会で生き別れの妹とばったり、「あだ名」が結んだ50年ぶりの再会。

2010/04/11 11:56 Written by Narinari.com編集部

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学校創立記念の同窓会に出かけたら、50年前に生き別れた妹と偶然再会した――。そんな男性の話題が、中国で伝えられている。

中国紙揚子晩報によると、孫逸傑さんは1945年、江蘇省揚州にある商家の息子として生まれた。8歳のときに実の母が病死し、父は再婚。そして父と継母の間に、妹の孫嘉珍さんが誕生した。二人は異母兄弟で10歳年が離れていたが、大変仲が良く、孫さんは「授業を終えて家に帰ると、いつも妹は抱きついてきたんです」と幸せだった時期を振り返る。また、孫さんは仕事で忙しい両親のために、妹の面倒をいつも見てあげたそうだ。

一度妹が大病を患い高熱を出したときには、孫さんが応急処置を施して妹を救ってあげたことも。両親からは大変驚かれたらしく、そのことをきっかけにして妹には「小拾子」(運命を救われた子)とのあだ名が付けられたという。

しかし、仲良し兄妹に悲しい別れが訪れたのは孫さん15歳、妹5歳のときのこと。過労により父が亡くなり、継母と妹は家を離れることになってしまった。孫さんは一人親戚に預けられ、中学校を卒業。上海に居を移し、理髪店の見習いとして生計を立てる人生が始まった。

孫さんは妹と別れたときのことを「涙が止まりませんでした。妹は何も言えなかったけれど、私には彼女も悲しんでいることがわかっていたんです」と語る。半世紀前の出来事だが、今でも涙があふれ出るという。

上海で黙々と働いた孫さんは自分のお店を持つまでになったが、数年前の定年を機に故郷の揚州へ戻ることに。孫さんの脳裏から妹の姿が消えることはなく、故郷でもときどき思い出しては、物思いに耽っていたそうだ。

そんな孫さんの願いが天に届いたのかもしれない。不遇の別れから50年たった今年3月。孫さんは学校創立記念として催された同窓会で、妹と劇的な再会を果たしたのだ。

全国各地に散らばっていた同窓生が一堂に会したこの同窓会、古い友人が連れていた女性を見て孫さんに直感が走った。「どこかで会ったことがある」。いてもたってもいられなくなった孫さんは彼女に接近し、雑談を装って「あなたは孫という名前ですか?」と質問をした。

しかし、彼女からは否定の答え。それでも諦められない孫さんはさらに「あなたは『小拾子』ですか?」と、昔懐かしい妹のあだ名を口に出した。すると、その女性は「あなたはなぜそれを知っているんですか?」と大変驚いた様子。あまりの嬉しさに孫さんはたたみかけるように「あなたのお母さんは蘇と言いませんか?」と質問――二人は興奮し、50年ぶりの再会を心から祝ったという。

妹の話によると孫さんと別れた後、母が再婚。そのため姓も変わってしまった。彼女は南京で大学生活を送っていたときに現在の夫と知り合い、結婚後湖南省で暮らすようになった。そして、今までずっとその地で生活を送ってきたそうだ。

再会後、孫さんと妹は一緒に故郷の揚州に赴き、父の墓参りを済ませた。孫さんは墓碑に向かって手を合わせながら「お父さん、妹と会えたよ」と報告したという。

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