15年来の“親友”だった2匹のカワウソ、同じ夜に相次いで亡くなる。

2010/04/02 17:59 Written by Narinari.com編集部

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人間は家族や友人、恋人などの身近に接する人がいないと、寂しさや孤独感から不安定な感情に陥りやすいものだが、それは人間に限ったことではなく、動物の世界でもしばしばそうした話は聞かれる。ニュージーランドの動物園には、幼い頃から15年も一緒に生活を送っていた2匹のカワウソがいた。お互いにカワウソの平均寿命を超えて長生きしていたのだが、4月1日朝に2匹とも亡くなっている状態で発見。動物園の職員は「先に亡くなった仲間を見たショックで、2匹目も亡くなったようだ」と語り、悲しみに暮れている。

ニュージーランド南島ネルソンのネイチャーランズ動物園では、19歳のダズと16歳のチップという、2匹のオスのカワウソが飼育されていた。ニュージーランド放送局3NEWSによると、2匹は15年前から一緒に飼育され、常に一緒に行動するほど仲良しだったという。飼育員のゲイル・サットンさんは「彼らは素晴らしいペアだった」と語り、人間も認める“親友同士”の間柄でお互いを支え合っていた。

その甲斐あってか、通常14年前後と言われるカワウソの平均寿命も超えて、元気に過ごしていた2匹。しかし、人間の年齢に換算すると「100歳近く」にまで達していた2匹は、2週間前から体調を崩して元気をなくしていたそうだ。職員も彼らを気遣って懸命の処置を施していたが、2匹との別れは4月1日朝に訪れる。職員が2匹の檻に向かうと、そろって動かなくなっていた。

前日の夜に見たときには2匹が亡くなるとは想像もしてなかったようで、サットンさんは「私たちはとても驚き、何が起きたのか全くわからなかった」そう。15年もの長きにわたり、動物園に明るい雰囲気をもたらしてきた2匹の死に、ほかの男性職員も「今でも涙があふれてくる」と、ショックを受けている。長年世話をしていながら、最期を見届けられなかった悔しさもあるのかもしれない。

調査の結果、2匹はともに心臓発作で亡くなっていたと判明し、死亡推定時刻は1時間以内とわずかな差だったという。この結果から、2匹は「先に亡くなった仲間を見たショックで、2匹目も亡くなった」と考えれているそうだ。サットンさんは「どちらかだけだったら残されたほうは失意に暮れていただろうから、一緒に旅立てたのは唯一の救い」と話し、違う世界での2匹の幸せを願っている。

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