スーパーの客が店員に腎臓提供、“軽い挨拶”から始まった関係が命助ける。

2010/03/31 12:02 Written by Narinari.com編集部

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よく買い物をする店で、そこで働く従業員と顔見知りになり、軽く挨拶を交わすことはよくあります。しかし、そんな小さな会話がきっかけとなり、腎臓を患っている店員が客の一人から腎臓を受け取り、移植手術を受けるというケースがありました。

米紙シカゴトリビューンなどによると、イリノイ州シカゴの街エバンソンで働く49歳のマイラ・デ・ラ・ヴェガさんは、52歳のダン・コインさんがよく食材を買いに行くスーパーマーケットの店員。コインさんは、数年前からレジに立つフレンドリーな彼女を見かけては、いつもそのレジの列に並んでいたそうです。そのたびに挨拶を交わしていた2人は、いつの頃からか、お互いの名前を知る顔見知りになっていました。

そんな関係が続いたある日、コインさんはデ・ラ・ヴェガさんの顔色が悪いことに気が付いたのです。どうしたのかとたずねると、彼女は腎不全を患っていると告白。2008年から透析治療を受けており、腎臓移植の必要性があることを明かしました。

その話を聞いたコインさんは、家に帰って妻と相談。妻から承諾を得たあと、「そういう事情なら、自分の腎臓を寄付するよ」と申し出たのです。しかも検査の結果、コインさんの腎臓はデ・ラ・ヴェガさんに適合すると判断されました。

デ・ラ・ヴェガさんは、ときどき顔を合わせる程度のお客さんからの突然の申し出に驚き、最初は辞退。ただ、頼りにしていた親族からの移植が無理だと分かった時、再び提供を申し出てくれたコインさんの好意を受け取ることにしました。

その後、2人は家族ぐるみで親交を深め、手術を受ける病院にも全員で訪問。丸一日かかった手術も成功しました。今後、彼らは腎臓提供を呼びかけるためのボランティア活動にも関わって行きたいと語っているそうです。

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