失業中の男性が始めた「夫レンタル」、妻が頼みそうな家庭の雑用こなす。

2010/03/11 16:34 Written by Narinari.com編集部

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世界的に景気が低迷する中、失業した人が新たな仕事を見つけるのは容易なことではない。そうはいっても、日々を過ごし、生きていくためにはお金は不可欠。健康で働く気力もあるならば、なんとか状況を打開する道を見つけ、収入を得るのが望ましいところだろう。クロアチアで大工をしていた43歳の男性も、失業して次の仕事を探していた一人。しかし彼の場合は、どこか就職先を見つけるのではなく、自ら「夫レンタル」の仕事を思い付いた。家庭の中で夫がするであろう、仕事や雑用を引き受けると広告を出したところ、それなりに依頼が舞い込んでいるという。

クロアチアのニュースサイト、クロアチアン・タイムズによると、この男性はザグレブに住む元大工のイゴール・ラディノビッチさん。職を失い、収入を得る方法を考えたラディノビッチさんは、英国にいた頃に見た広告を思い出し、「夫レンタル」の仕事をクロアチアで始めることにした。仕事の内容は、一緒に家で生活していたら、妻が夫に頼むであろう仕事や雑用を引き受けるというものだ。

ラディノビッチさんは「夫を持たない女性の中には、家の中でモノをどう取り付ければ良いのかわからない人もいる」と説明。依頼を受けた女性に対して、まるで家庭内で妻を気遣う夫のように、道具の取り扱いや力仕事などをラディノビッチさんがこなしていく。もともと大工とあって体を使ったり、物を扱うのはお手の物のようで、彼にはピッタリの仕事なのかもしれない。

この仕事を始めるにあたって「Rent a husband」との広告を出したところ、反応は上々の様子。すぐにいくつか依頼が舞い込み、「いろいろなモノの取り付け」「ペットの散歩」「花の水やり」「スーパーからの荷物運び」などをこなしているそうだ。料金は最初の1時間が120クーナ(約2,000円)で、以後1時間延長するごとに70クーナ(約1,200円)が発生する仕組みだという。

「男は体が資本」といわんばかりに、本当の“夫”に代わって仕事をこなすラディノビッチさん。ピッタリな仕事を自分で生みだし、きちんと収入を得ているのだから、男性としてもたくましいと言える。

ちなみに、雑用をこなすという仕事内容は、日本で言うところの便利屋や“家政夫”のようなイメージを想起させるため、「夫レンタル」という言葉のニュアンスの受け止め方は難しいところ。ただ、ラディノビッチさんを紹介しているクロアチアン・タイムズは、「彼は“夫がするすべてのこと”をこなすのかどうかは説明しなかった」との言葉で記事を結んでいる。  


☆ほかにもある「夫レンタル」サービス

「夫レンタル」の名を掲げたサービスは、ほかの国にも存在している。例えば米国で大きく展開しているのが、そのままズバリの「Rent-A-Husband」(//www.rentahusband.com/)。やはり「電球の取り替え」「大工仕事」「屋根の修理」「エアコンの掃除」「機器のセッティング」「絵画の壁掛け」「配管」など、米国の家庭で夫が行うであろう仕事の数々を代行している。この企業は米国内でも注目を集め、CNNやCBSといった大手のメディアにも取り上げられたことがあるという。

また、過去にはベトナムやフィンランドでも「夫レンタル」を掲げたサービスを生業とする人がメディアを通して伝えられており、商売としては決して目新しいものではない。実際の仕事の内容は便利屋や“家政夫”とほとんど変わらずとも、「夫レンタル」という目を引くコピーを付けることで注目を集め、新たなニーズを掘り起こそうと考える人は世界各地にいるようだ。

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