無免許でジェット機を操縦していた男、トルコの航空会社で2年間働く。

2010/03/05 18:54 Written by Narinari.com編集部

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3月3日、オランダのスキポール空港からトルコのアンカラへ向かうトルコ・コレンドン航空のボーイング737型機は、乗客101人を乗せて離陸準備に入っていた。しかし飛行機が離陸する直前にオランダの警察がコックピットに突入し、乗務予定だったパイロットを逮捕。実はこのパイロット、無免許で操縦桿を握っていたという。

英紙デイリー・メールなどによると、イタリア・ミラノに住む41歳のスウェーデン人男性は“パイロット歴13年のベテラン”。「これまでにイタリアや英国、ベルギーの航空会社を渡り歩き、延べ1万時間の飛行経験を積んだ」と主張していたそうだが、実際には免許すら所持していないという、とんでもない偽パイロットだった。

男性は数年前からスウェーデン当局に「偽のライセンスを所持しながら飛行している人物」として告発されていたが、「彼を発見できずにいたため、捜査は進展していなかった」(米紙USAトゥデーより)そう。しかし男性の所在を掴んだ当局が、オランダの警察とコレンドン航空に通報し、今回の逮捕劇へと繋がった。ちなみに男性が搭乗するはずだった飛行機は、「連絡を受けていたコレンドン航空が別のパイロットを用意」し、予定通りトルコに向けて飛び立ったという。

偽の経歴書を使ってコレンドン航空に潜り込んだ男性は、2年前から乗務を開始。同社はこれまで男性が1人で飛行したことはなかった点を強調した上で、会社を解雇するとしている。また、同社の関係者は「男性がかつて商業パイロットのライセンスは所持していたが、旅客便は対象でないばかりか、現在は期限切れ」(デイリー・メール紙より)という事実を公表。全く飛行機の操縦に縁がないわけではなかったようだが、なぜかコレンドン航空の試験をパスしてしまい、ジェット機の操縦桿を握ることになったらしい。

嘘を見抜けず操縦を任せていたコレンドン航空の監督責任も問われそうだが、入社してそのまま勤務を続けた男性の行動は、もちろん非常識な話。男性の発言などは一切伝えられておらず、いったい何を考えていたのか、その心の内はわからない。それでも、多少なりとも罪の意識は感じていたのか、オランダの警察は「男性は悪事が明らかになってホッとしたようで、逮捕されると肩章を外した」(デイリー・メール紙より)ことを明らかにしている。    

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