顔写真撮ればメアド入手? 携帯アプリに「ストーカーの夢」との声も。

2010/03/02 10:06 Written by Narinari.com編集部

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携帯電話のカメラで顔写真を撮ると、メールアドレスやSNSへのリンク、電話番号など、その人に紐付いた情報を教えてくれる――。そんな携帯電話向けのアプリケーションをスウェーデンのソフトウェア会社が開発している。最近、盛り上がりを見せるAR(拡張現実)技術を利用したこのアプリ、来るべき未来を感じさせる一方で、使い方次第ではプライバシーを侵害する可能性もあるため、欧米メディアでは懸念の声も上がっているようだ。

このアプリは、スウェーデンのThe Astonishing Tribe社が開発を進めている「Recognizr」。大まかな流れはこうだ。まず、アプリを起動して携帯電話のカメラで顔を撮影する。撮影した写真は「Recognizr」のデータサーバーに送信され、データベースの情報と写真の顔を照合。マッチングすると、その人の名前や携帯番号、メールアドレス、FacebookやTwitterへのリンク(※登録している場合)が画面に表示されるといった具合だ。こうした仕組みから、アニメ「東のエデン」に登場した“東のエデンシステム”を連想する人も多いかもしれない。

もちろんどのような人の情報でも分かるわけではなく、あくまでも撮影された人が「Recognizr」に登録していることが前提。登録の際にどの情報を公開して良いのかを選択できるため、撮影される側が不特定多数に知られたくない情報は隠すことができる。

このアプリに対する欧米メディアの論調はどのようなものだろうか。例えば英紙サンや英紙デイリー・メールはこのアプリが抱えるであろう、プライバシーの問題に言及している。「酔っぱらいがこっそり撮って、人の情報を見つけるかもしれない」(サン紙より)と、知らない人への情報流出の危険性を指摘。そしてオックスフォードインターネット研究所のイアン・ブラウン博士のコメントを引用する形で「このアプリは“ストーカーの夢”となるように思える」と表現している。

その一方で、冷静な見方をするメディアも。米誌ジ・アトランティックは、すでにTwitterやFacebookなどで公開されている情報に携帯電話でアクセスできるため、その発展系とも言える今回のアプリも「ほとんど驚かない」という。しかし、こちらもプライバシー対策などがまだ不十分と考えているようで、「この製品はあまりに怪しいように思える」とつづっている。

「Recognizr」が実用化され、受け入れられるかどうかは、やはりユーザーが安心して利用できる環境をどこまで整えられるかがポイントとなりそう。どのような対策を施した上で製品版が登場するのか、注目しておきたいところだ。

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