家購入から6日後に庭の崖崩落、二次災害の危険避けるため立入禁止に。

2010/02/25 05:23 Written by Narinari.com編集部

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「一生で最も高い買い物は?」と聞かれたときに、多くの人が答えるのは家だろう。裕福な人なら2軒目、3軒目の家を持つ場合もあるが、それでも1軒の価格は相当な金額。それだけに、購入する際には慎重に状況を確認し、納得した上で決断したいものだ。先週、英国のある女性は、高台から海を望む景観豊かな邸宅を、大幅に値引きされた約2,000万円で購入した。しかしわずか6日後、高さ90メートルの庭の崖が崩落し、女性は家に入れなくなってしまったという。

英紙デイリー・テレグラフによると、問題が起きたのは英南西部デボンにあるオディコムビーチ沿いに建てられた家。この家は海に面した高さ90メートルの崖の上にある1930年代の物件で、2階建ての建物は寝室が6つもあるほど大きく、広い庭も付いている。周辺は海を見渡せる景色が自慢のエリアで、1億円近くで販売された家もあるなど人気の高い地域だという。しかし、この家は不動産会社がバーゲンとして2月18日に競売へ出品。その結果、ある女性によって15万4,500ポンド(約2,100万円)で落札され、売買が成立したそうだ。

周囲に比べて格段に安い価格には、もちろん理由がある。実は、この家が2種類の異なる地層の上に建てられており、地滑りを起こす危険性が以前から指摘されていたから。そのため、売りに出した不動産業者も「家が壊れる可能性があり、動かす必要があるかもしれない」(英紙デイリー・メールより)と警告はしていた。つまり、女性も危険を理解した上で購入を決断したらしい。

庭が崩落したのは2月24日未明のことで、周辺住民も明るくなってから崖の崩落に気付いたという。デイリー・メール紙は「現在、家は崖から50フィート(約15メートル)の場所に建っている」と伝え、建物にも危険が及んでいることを示唆している。幸い、生き埋めになったり、ケガを負った人はいないようだが、不安定な状態は続いており、二次災害の危険を避けるために崖下にあるビーチは閉鎖。女性もこの家を離れているそうだ。

「ロンドンの裕福な女性」という所有者について、デイリー・テレグラフ紙は「動揺が激しく、損害についてコメントするのは難しい状態」としている。また、この家の近所に住む人は「先週売られたばかりなのに敷地の多くを失うなんて、あまりにタイミングが悪すぎる」と、所有者に同情しているようだ。

さらに女性にとって頭が痛いのは、今後この場所に住むのが、今回の崖崩れによって相当難しくなってしまったという点。以前、この場所を扱った不動産業者のスポークスマンは「新たな家を建てようとしても、この場所には建築許可が降りないだろう」と話している。女性は保証金を払ったばかりで3月に残りの金額を払うとされており、まさに「安物買いの銭失い」の結果となってしまったことに、きっと頭を抱えているに違いない。

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