今からちょうど1年前の2009年2月19日。キングコングの西野亮廣が、芸人仲間であり、1年先輩にあたるインパルスの堤下敦に、あるイタズラを仕掛けた。それは「ブログを勝手に立ち上げ、『1年間、毎日更新する』と勝手に公約を掲げる」というもの。何の気構えもないまま公式ブログを与えられた堤下敦は、始めこそ西野亮廣に悪態を付いていたものの、その後はマジメに公約を守り、タイトルも勝手に付けられた「俺とバーボン」を毎日更新してきた。そんな不本意な形で始まった公式ブログが遂に1周年を迎え、2月19日に最後のエントリーを更新している。

「さてラストの更新です」。冒頭でそうつづられた19日付けのエントリー「時間はとても大切なのだと感じましょう」は、「一年書いたのですね。びっくりですね」と、本当に1年間毎日続けられたことを驚きながら振り返っている。しかし、途切れることはなかったとはいえ、実際は「書く事がある日もあったし何も無い日もありました」と、苦労も感じながらの日々だったようだ。

そして話題は、この日、宮川大輔とともに訪れた山形ロケの様子をつづるという、芸能人ブログらしい内容が続き、さらに話題を転じて1年間の“ブログ生活”を回顧。最後は西野亮廣に「貴重な体験ありがとう。ブログ。勉強になりました」と謝意（？）を述べ、ファンに向けた「それではまたいつかの俺とバーボンで！さよならまたね！」との別れの言葉でエントリーを締めている。

この最後の更新を受け、西野亮廣も公式ブログ「西野公論」にエントリー「ありがとう、『俺とバーボン』」を更新。「本当に素晴らしい芸人根性だと思う。付き合いが長いのでこんなことを今更言うのも恥ずかしい話だが、ボクは彼を心底尊敬している」と、自分が掲げたわけでもない公約を達成した堤下敦を称えた。

ただ、「またある日突然、勝手に立ちあげさせてもらおうと思う。『俺とバーボン』改め、堤下敦Official Blog シーズンII『バーボン越しの俺』を」と、堤下敦にとっては不気味な“予告”も。同じパターンが通用するのかは分からないが、1年を通じて「俺とバーボン」のファンになった人たちにとっては、少しばかり期待を持たせる“予告”と言えそうだ。


☆「俺とバーボン」開設時のてん末

「俺とバーボン」の開設時、西野亮廣は公式ブログでその意図を「新しい『イタズラ』を思いついたから」と説明している。バレないよう水面下でヒッソリと準備を進めるという強引な手法を採ったのは、「勝手に開設されたブログであろうが、その方がどれだけ『ブー、ブー』言おうが、ここでこのように紹介された以上、更新を怠ると『アイツ、ノリ悪いなぁ』となってしまうので、更新せざるをえないでしょう」との狙いから。たとえ無理矢理であったとしても、ブロガーの道に引きずり込むのが狙いだった。

また、堤下敦は「俺とバーボン」の最初のエントリーで、「何をいたずらとか言って勝手にブログ開設しているんだ！ しかもタイトルが俺とバーボン？ 意味が分からないわ！」「何がイタズラじゃ！！！」と語気を強めながら西野亮廣に怒りをぶつけ、「西野から今夜のブログを見てくれ。と言われたので何が書いてあるのかなと見てみたら！」「西野によっていつの間にか開設されていたのです」と、不満をつづっていた。