新婦の「ひげ」を見て結婚式中止、結婚の取り消しを求めて裁判に。

2010/02/16 20:13 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


アラビア半島のイスラム文化の国々では、女性は伝統的な民族衣装のアバヤに身を包んでいます。加えて頭髪を隠すヒジャブや、目以外の顔を覆うニカーブと呼ばれるベールなどを着用。こうした服装は砂漠の気候から肌を守るためにはちょうど良いということもありますが、イスラム教義の文化が影響していることは言うまでもありません。女性たちは「家庭の外では、近親者以外の男性に見つめられるべきではない」という教えを守って生活しています。

結婚を前提にしている男性に対してもこの教えは当てはまるため、結婚して初めて妻の顔を見るということも珍しくはないそう。しかし、結婚式当日に妻の顔を見たとき、ひげが生えていることにショックを受け、結婚を取り消すように裁判所に訴えた男性がいます。

アラブ首長国連邦(UAE)紙ガルフニュースによると、同国の「大使」だというこの男性。結婚式までに婚約者の女性とは数回会う機会がありましたが、女性の顔は常にニカーブで覆われ、慎ましく、奥ゆかしくしていました。はっきりと顔を見たことはなかったものの、彼女の母親からは「これが娘です」と写真を見せてもらったことがあり、その顔立ちには満足だったようです。

ところが結婚式の当日、夫婦の誓いの書類にもサインし、いよいよ自分の妻となった女性の顔を見られるとワクワクしていた「大使」は、彼女にキスをしようとニカーブを取った瞬間、大変なショックを受けました。女性の顔は義母に見せてもらった写真の姿とは異なり、ひげ面だったと伝えられています。

怒った男性は妻と彼女の家族を相手取り、結婚の無効と、結婚式の費用やプレゼントに費やした50万ディルハム(日本円にして約1,200万円)の返還を要求する裁判を起こしました。その結果、裁判所は結婚の無効は認めたものの、損害賠償については却下したそうです。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.