犬と猫の飼い主は教育水準が異なる? 英大学が飼い主の特徴を調査。

2010/02/09 11:52 Written by Narinari.com編集部

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人気ペットの代表とも言える、犬と猫。動物好きな人なら「両方好き」という人も少なくないだろうが、どちらもポピュラーなペットがゆえに比較されることも多く、犬派、猫派と分かれるのは世界共通の認識だ。本来、犬と猫が持つ個性や見た目をどう好むかは個々が持つ感性の問題ではあるが、両派の傾向をあえて探る調査や研究は、世界各国で行われている。そうした中、英国の大学研究者が犬と猫の飼育数と飼い主の特徴を調べる研究を行い、「犬と猫の飼い主には教育レベルに違いが見られた」と、論議を呼びそうな結果を発表した。

ブリストル大学の公式サイトによると、この調査は同大学獣医学部のジェーン・マーレイ博士が行い、英専門誌「Veterinary Record」で発表したもの。マーレイ博士は、2007年に選挙人名簿からランダムに抽出した家庭に電話調査を実施。犬や猫の飼育状況のほか、飼い主本人についても聞き取りを行い、英国内で飼われている犬と猫の総数や、飼い主の特徴に見られる傾向を分析したという。

調査対象となったのは2,524の家庭で、その結果、現在の英国では猫が1,030万匹、犬が1,050万匹いると推計。猫は全世帯の26%、犬は31%で飼われていると見られるとの数字が出た。1989年に出版された科学誌の中では、当時の英国内の飼育数が猫は620万匹、犬が640万匹と推計されており、「今回の研究は、英国のペット所有者が以前よりもさらに増えているとも分かった」としている。

そして、それぞれの飼い主に見られた傾向について、「猫の飼い主は女性が多く、狭いか単身の家庭で飼われる」とされ、犬は「地方に住む男性により飼われ、55歳以下に多い」そうだ。また、10歳未満の子どもを持つ家庭では、犬よりも猫を飼うほうが多かった。さらにマーレイ博士は、飼い主に見られた一番大きな違いとして「教育水準」を挙げている。調査の結果、家族の誰かが大学レベルの教育を受けた人の割合が、「犬の飼い主では38.4%だったのに対し、猫の飼い主では47.2%」(英放送局BBCより)と、1割近い差が生じたそうだ。

マーレイ博士は、この点に大きな興味を示しながらも「どうしてこのような食い違いが見られるのかはわからない」と、理由の説明には至っていない。しかし、ひとつの推論として、所有者の労働時間に関係している可能性を示した。仕事の拘束時間が長い人には「犬よりも世話をしなくてすむ猫が選ばれるのでは」という。

ただ、調査結果の数字とはいえ、この発表には英紙ガーディアンも「猫や犬が好きな人には論争となるかもしれない結論」と、物議を醸す可能性を示唆している。

ちなみに、英紙デイリー・メールでは「あなたは猫の飼い主が犬の飼い主よりも知的だと思いますか?」とのオンラインアンケートを実施。その結果「イエス」は63%、「ノー」は37%となっている(日本時間2月9日11時現在)。


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