「ブラの色を教えて」Facebookで流行の乳がん予防促進キャンペーン。

2010/01/18 16:09 Written by Narinari.com編集部

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年明け直後から、欧米の女性を中心に“自分のブラジャーの色”をSNSの「Facebook」に書き込むことが人気を呼んでいる。もともとは自然発生的に広まったと言われているが、ただブラジャーの色を公開して楽しんでいるわけではなく、実はこれ、乳がん予防促進キャンペーンの意味合いも込められているそうだ。  

最初にブラジャーの色を書き込むよう呼び掛けた人はわかっておらず、今年に入ってからチェーンメールの形で拡大。そのメールには「Facebookのステータスに、あなたのブラジャーの色を書き込んでください」「男性には知らせずに、女性の友人すべてにメールを送るように」「男性が気付く前に、どれだけ広がっていくか楽しみ」といった趣旨のメッセージがつづられていた。

また、「がんの認識を広める」との目的も添えられており、“楽しさ”と“意識の共有”の両輪に多くの女性が賛同、大きな動きへと発展した。米放送局ABCは、発起人について「“カラー”の綴りが英国式(※米国英語はcolor、英国英語はcolour)である点に注意したい」と、英国が発信源である可能性を示唆している。

こうして欧米の女性を中心に、自分のブラジャーの色を書き込む人が続々と現れたほか、コミュニティ(グループページ)も複数登場。例えば8,300人以上が参加しているグループ「Whats your Bra Color???」を覗いてみると、ほとんど余計なコメントはなく、黒やベージュ、ブルー、ピンクなど、カラフルな言葉が並んでいる状態だ。

また、乳がん研究を支援する「Susan G. Komen For the Cure」という慈善団体のサイトにもリンクされ、コミュニティ管理人は書き込まれた人数によってお金を寄付するとも。1月11日までに「1,000人の書き込み」という最初の目標は達成したようで、慈善団体に500ドル(約4万5,000円)を寄付するとしている。

その爆発的な広がりに注目した多くの欧米メディアは、「ブラジャーの色書き込みキャンペーン」について年初から報道しているが、評価は真っ二つだ。

米誌ニューズウィークは「友人の間でも広まりつつある」という女性記者の意見を掲載し、目的には理解を示しながらも、「キャンペーンが胸を打たない」と手厳しい。この女性記者はブラジャーの色を書き込ませることに「何の意味があるのか」と疑問を呈し、ユーザーはステータスを更新しているだけとバッサリ。がんについてコメントが寄せられることも、議論が起きることもなく、このキャンペーンは「認識や教育ではなく、単に心地よい刺激に過ぎない」としている。

一方でABCは慈善団体の「Susan G. Komen For the Cure」に直撃。同団体のスポークスマンは「インターネット上で始まった小さなことが、がんの認識を高めようとの動きに繋がった、素晴らしい例だ」と絶賛している。さらにフィラデルフィア・メディカル出版社の編集者ジャスティン・ヘア氏は「(キャンペーンの)関心を高めることは、認識させることにも繋がる」と話し、時代を捉えた賢いやり方と評価した。

米国では女性の8人に1人が乳がんに冒され、毎年4万人近くが亡くなっているという。そうした数字を減らすためにもがんについて広く知ってもらうのは、最初の一歩としては大切なこと。その手法に賛否はあれど、こうした動きが多くのメディアに取り上げられ、乳がんに関する話題の露出が増えたという点は、評価されても良いのかもしれない。

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