中国の新ビジネスが話題に、カタツムリのようにのんびり「未来」へ配達。

2010/01/12 14:04 Written by Narinari.com編集部

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仕事にしても生活にしても、さまざまな局面でスピードが要求される忙しない現代。そうした社会での生活に、心の片隅で窮屈さを感じている人もいるのではないだろうか。中国ではいま、そんな時代へのアンチテーゼとして、郵便物をのんびりと「未来」に届けるという、一風変わった郵便サービスが話題を呼んでいる。

この郵便サービスの名称は「蝸牛慢○(※しんにょうに弟)」。その名の通り「カタツムリのようにゆっくり配達」することが特徴で、速達ならぬ“遅達(ちたつ)”を売り物にしている。本来ならば数日もあれば届くような葉書を、1週間後、1か月後と、客が指定した月日に届けてくれるというサービスだ。   

料金は専用葉書1枚が8元(約110円)、年内に送り届ける遅達費用は9元(約121円)となり、その後1年につき1元の保管費用が発生するシステム。仮に6年後に届くように葉書を送る場合は、遅達費用は9元+6元で合計15元(約202円)となる計算だ。

このサービスの用途は「忘れないように今のうちに友人へ誕生日カードを送っておきたい」「これから手術を迎える友人に(手術の成功を信じて)お祝いの言葉を送っておきたい」「これから生まれてくる赤ちゃんに言葉を残しておきたい」と実にさまざま。中国内の複数メディアが相次ぎ取り上げていることもあり、少しずつ軌道に乗り始めているそうだ。

なお、提供している会社は「あなたが今日書いた一通の手紙は普通の手紙ではありません。それは未来への手紙であり、あなたの愛や願いなどの感情を表現すると同時に、予期せぬ驚くような効果を生み出す可能性もあります」とサービスをアピールしている。

ちなみに、中国新聞網によると、これまで依頼された最も遅い配達は今から12年後になるとのこと。中には「別れたばかりの彼女に、5年後に届けてほしい」と意味深な依頼もあるという。配達までの時間が長くなればなるほど「本当に配達されるのか」「相手が引っ越してしまったら届けられないではないか」といった疑問の声も聞こえるが、きっちりサービスが履行されることが間違いないのであれば、ロマンチックなサービスと言えそうだ。

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