結婚資金捻出のためにアルミ缶回収、7月の式までにあと30万缶強目標。

2010/01/12 10:36 Written by Narinari.com編集部

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夫婦の出発点であり、家族や知人がその門出を祝う結婚式。公式なお披露目の席という意味合いもあり、式を開くのは半ば一般的だが、楽しみな気持ちの反面、決して安くはない費用の工面に頭を悩ますカップルも少なくない。昨年10月に婚約したある米国人カップルは、2人ともお金がなく、結婚式の費用をどうするか困っていた。そこでいろいろと考えた結果、2人はアルミ缶を集め、リサイクル施設に売却することで資金を得ようと決断。昨年12月に公式サイトを開設すると、アルミ缶のリサイクルは環境問題にも繋がるとあって、反響を呼び始めているという。しかし目標の40万缶まではあと30万缶強と、その道のりはまだまだ険しい状況だ。

缶集めプロジェクトを始めたのは、ワシントン州スポケーンに住む29歳の男性ピーター・ゲイヤーさんと、25歳のアンドレア・パリッシュさん。昨年10月に婚約し、今年7月31日に結婚式を挙げる予定だが、2人には大きな問題があった。それは、結婚式の費用に回せるお金がほとんどないということ。米放送局KHQ-TVによると、ゲイヤーさんの仕事は彫刻家で、現時点ではそれほど収入がないようだ。それでも、結婚式を挙げたいと考えるパリッシュさんは、彼の仕事からアイデアが浮かんだという。

ゲイヤーさんは、以前から仕事に利用するためにアルミを集めていた。そこに目をつけたパリッシュさんは、「アルミ缶を集めて、売却したお金を費用にしよう」と提案。設定した回収目標はアルミ5トン、缶にして40万本という膨大な数だ。気になるのはそれだけの缶がいくらになるのかという点だが、米地方紙ザ・スポークスマン・レビューは「現在の市場価値で、3,800ドル(約35万円)に相当する」と伝えている。

しかし、40万缶をたった2人で集めるのは至難の業。開設されたサイト「Wedding Cans」には、これまでに回収した缶の数が公開されているが、婚約から3か月が経過した現時点で、ようやく2万5,000缶を超えた程度だ。

そこで2人は、サイトを通じて「缶の回収は環境に良い」と、自分たちの計画に協力を呼びかけ始めた。協力の方法は2人のもとにアルミ缶を郵送する……わけではなく、サイトで寄付を募り、その金額が缶の本数に換算されるという仕組み。もちろん、寄付に頼り切るのではなく、2人でアルミ缶を集める作業は行っている。こうして現在まで集まった寄付は、約6万6,000本分のアルミ缶回収に相当。実際に集まった2万5,000缶と合わせ、「約9万1,000缶分が回収された」としている。

ゲイヤーさんは「地球は人間が暮らしてきた唯一の星で、地球が我々を助けるように、我々も地球を助けなくてはならない」(KHQ-TVより)とコメント。環境への言及が功を奏したのか、米国のほかの州以外にカナダや英国からも反響があるという。目標まではまだまだ遠いが、多くの人が協力してくれる現状に手応えも掴んでいるようだ。

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