強盗被害の母子に支援の輪、SNSユーザーから家財道具や玩具の寄付殺到。

2009/12/30 14:31 Written by Narinari.com編集部

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今年11月、英国で1歳の子どもを持つ女性の家に強盗が押し入る事件が起きた。子どもは病気を抱え、決して生活に余裕があったわけではないのに、家の中は至るところを荒らされ、子どものおもちゃまで壊される始末。どうしようもなく、途方に暮れた女性が事の顛末をソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)の「Facebook」に書き込むと、それを見た人々から多くの援助が寄せられたという。

英南部ドーセット州に住む、22歳のケイティさんの家に強盗が入ったのは11月7日のこと。英地方紙デイリー・エコーによると、前日から1歳の娘エイミーちゃんと一緒に出かけ、7日朝に帰宅すると家中が荒らされていた。侵入したと思われるドアはおろか、室内のあらゆるモノが壊され、洋服も破かれて散乱。エイミーちゃんのおもちゃやベッド、飼っていたハムスターの檻も破壊されるほどの徹底ぶりで、被害額は数千ポンド(1ポンド=約146円)にも及んだ。

しかも悪いことに、ケイティさんは保険に入っていなかった。エイミーちゃんが肺に疾患を抱え、病院にかかる機会が多く、生活に余裕がなかったためだ。そのため、ケイティさんは荒らされた部屋に立ち尽くし、ただ泣くしかなかった。

すべてを失い、失望と恐怖の中に置かれたケイティさんは、エイミーちゃんを連れて友人の家に身を寄せる。しかし、誰とも分からない犯人に怒りの気持ちもあり、見つけ出したい一心で「Facebook」に事件の顛末を書き込んだ。すると、犯人の情報ではなかったが、意外な反応が返ってきたという。

ケイティさんの書き込みを読んだ人々から同情の声が上がり、その輪は次第に大きなものに。気が付くと、ケイティさんを助けようというキャンペーンが始まった。参加者はいつしか4,000人にまで膨らみ、数百人からテレビやベッドなどの生活必需品が送られ、中には200ポンド(約3万円)もするエイミーちゃんのおもちゃも。英紙ニューズ・オブ・ザ・ワールドには多くのおもちゃに囲まれる2人の写真も掲載され、寄付が多数の人から集まっている様子がうかがえる。

寄付は現在も続き、洋服は3つの袋がいっぱいになるほど集まり、エイミーちゃんのために椅子やおむつも送られた。励ましのメッセージも多数寄せられ、「家の片付けを手伝う」との申し出まであったという。助けようと行動を起こした多くの人の気持ちは、今後の2人に大きな力となりそうだ。

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