大崎裕史×石神秀幸の二大巨頭が監修、“究極のラーメン”誕生秘話。

2009/12/10 13:24 Written by Narinari.com編集部

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ラーメン好きなら誰もがその名を知る、自称「日本一ラーメンを食べた男」大崎裕史氏(株式会社ラーメンデータバンク代表取締役)と、「神の舌を持つ男」石神秀幸氏(株式会社ZETTER代表取締役)。雑誌のラーメン特集や“ラーメン本”への登場、テレビ番組への出演は数知れず、いくつものカップめん監修を務めてきたこの二大評論家が、ついにタッグを組むときがやってきた。明星食品が12月21日に発売する「鬼どろそば魚介豚骨醤油」(237円/税別)で、初めてのコラボレーションが実現する。

「鬼どろそば 魚介豚骨醤油」は、雑誌「TOKYO★1週間」の人気特集「ラーメン大賞」の10周年を記念して企画されたカップめん。大崎氏が麺を、石神氏がスープを監修し、あえて具材を使用せずに商品化された“究極のラーメン”を謳う全く新しいカップめんだ。

麺は極太麺と中太麺の2種類を使用した「乱切りめん」と、帯状の麺を砕いた「砕き帯びめん」を合わせるという、画期的なアイデアを採用。スープはチャーシューとポークをベースにした豚骨醤油ダレに、ラー油の辛味でパンチを加えた濃厚な魚介豚骨醤油スープで、麺によくからむ「どろどろこってり」な口当たりに仕上げている。

この大崎氏と石神氏のコラボという、カップめん史上に残る“事件”は、いったいどのようにして生まれたのだろうか。大崎氏と明星食品の担当者に、誕生までのいきさつをうかがった。

◎コラボ実現の裏側

今回のコラボは、「ラーメン大賞」審査員で中心的な存在であり、業界のオピニオンリーダーである両氏が「タッグを組んだらどんな凄いカップめんができるんだろう?」という、素朴な疑問を明星食品の担当者が抱いたことがすべての始まり。同社内で企画案が出たときには、「本当に大崎さんと石神さんが組んでくれるのか?」「本当にまとまるのか?」との反応が多かったという。

そこで、まずは大崎氏に企画を打診。そのときの感想を大崎氏は「とうとうそこまで来たか、と思いました」と振り返る。「私も石神さんも個人でカップ麺を過去に監修しており、その二人が組むというのは、もう最終手段かな? と(笑)」。ただ、社内の反応と同様、大崎氏も石神氏が企画に乗るとは思っておらず、「石神さんがやるというなら私に異存はないです。でも、やらないでしょう?」と返答。すると意外にも(?)、数日後には石神氏からOKが出たため、商品化に向けてスタートを切ることになった。


◎なぜ「麺は大崎氏、スープは石神氏」に?

両氏ともそれぞれ麺やスープへのこだわりや好みがある中で、なぜ「麺は大崎氏、スープは石神氏」という分担に決まったのだろうか。開発チームと両氏が最初の打ち合わせをした際に、「お互いの個性を尊重するために分担する」「麺とスープは全く別個に開発を進め、最後に合わせたほうが面白い」との方針は全体で決めたものの、どちらが麺、どちらがスープかは両氏の希望で自然に決まったそうだ。

しかし「面白い」とはいえ、麺とスープ、別々の個性を反映させながら開発し、最後に統一感を持たせるのは至難の業。大崎氏は「お互いの様子を見ながら、というのはありました」としながらも、「どうやって商品の中に自己主張をしていくか、『大崎が関わった』という特徴を出さねば」「(石神氏には)負けられない」との意識が強かったという。


◎「めん」を生む苦しみ

それだけに、今回の「鬼どろそば」に使用しためんには、大崎氏の相当なこだわりが反映されている。「最初に二刀麺(二種類の太さの麺)は浮かびましたが、それだけじゃダメだと思っていました。じゃぁ、三刀麺(三種類の麺)だと良いか、というとそれも安直」と考えを巡らせ、さらに「ひもかわ麺(きしめんよりも幅広な麺)ができないかと相談」してみたところ、これは明星食品側が却下。その後もいろいろな提案をしてみたものの、技術的な壁もあり、一時は暗礁に乗り上げてしまった。

悩みに悩んで浮かんだのは「(明星食品は)ワンタンのうまさにも定評がある」という点。これを活かす方法を探り、試行錯誤の末に編み出されたのが「ワンタンを砕いて麺にする」という手法だった。そして完成したのが「砕き帯めん」。大崎氏は「間違いなく業界初でしょう(笑)」と胸を張る。


◎石神氏のスープと合わせてみると…

苦労の果てに生まれた「砕き帯めん」を、実際に石神氏が完成させたドロ系濃厚スープと合わせてみると……。砕いた細かい麺がスープにも馴染んでさらにドロドロ感をアップさせ、「相乗効果が思わぬ効果を発揮して面白い仕上がり」(大崎氏)になったという。これには「これぞコラボ!」と、会心の思いだったそうだ。


こうして誕生した「鬼どろそば 魚介豚骨醤油」は、明星食品の上層部が試食した際に、「俺には理解できない!」とサジを投げられたとの逸話も。しかし、大崎氏は逆に「それくらいメーカーの発想ではできないカップめんが誕生した」と自信をのぞかせている。

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