余命わずかの娘に両親が計画、11月から毎日“最後のクリスマス”祝う。

2009/12/04 12:10 Written by Narinari.com編集部

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気が付けば今年も残すところあと1か月。多くの人が楽しみにしているクリスマスも、もうすぐそこだ。恋人や家族、友だちと楽しい時間をともに過ごし、暖かな気持ちになるこの日を、1年の中で“最も楽しい日”“最も好きな日”と感じる人は少なくない。英国に住む15歳のペイジ・バッドマンさんも、そんなクリスマスが大好きな女の子だ。

ペイジさんは今から4年前、医師から「世界で12例しか報告されていないピット・ホプキンス病」(英紙デイリー・メールより)との診断を受けた。これは遺伝子内の異常が原因で脳の縮小が起こり、厳しい呼吸困難に陥る病気。ペイジさんの母親によると、医者からは「いずれ眠ったまま目を覚まさなくなる」(同)と言われているという。

そんなペイジさんの容態が悪化したのは数か月前のこと。5月に両親や弟とともに米フロリダへ旅行をした後のことだった。現在は脳の縮小が進んだために身体の自由がきかず、特にのどへの影響は「飲食ができなくなり、睡眠中にだ液で窒息する可能性がある」(デイリー・メール紙より)ほど、深刻な状態となっている。

もはや葬式の準備をせざるを得ない――。残された時間が少ないと悟った家族は、ペイジさんのために、あるアイデアを実行に移すことにした。それは彼女が1年で最も楽しみにしていたクリスマス当日を迎えられないという最悪の事態に備え、11月始めから毎日クリスマスのお祝いをするというもの。家の中にはクリスマスツリーが早めに飾られ、ペイジさんはいつもソファーに座って何時間も見つめているそうで、「チカチカと光る装飾が、彼女の助けになっているようだ」(英紙ブリストル・イブニングポストより)と、両親は毎日その様子を見守っている。

多い日には1日19時間眠っているというペイジさんだけに、彼女がソファーにいる間は家族にとっても貴重な時間。時にはプレゼントを持った訪問客を迎え、明るくクリスマスを祝っているようだが、食事の時は気がとがめるという。ペイジさんは昼はミルク、夜は水を胃に直接注入しており、クリスマスディナーを食べられないためだ。

それでも本人は前向きに毎日を過ごしているそうで、15歳の女の子らしく、今年のクリスマスプレゼントには「ブーツと香水」を期待しているという。刻一刻と迫る運命の日を前に、不安と闘う家族。今は「クリスマス当日、彼女が自宅で家族と一緒に過ごす」という、最高のクリスマスプレゼントが叶うよう、祈る日々が続いている。

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