結婚式6日前に捨てられた花嫁、新郎の来ないパーティーにお年寄りを招待。

2009/11/05 13:08 Written by Narinari.com編集部

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自分に何かしら不幸な出来事が起きたとき、落ち込んでしまうのは仕方のない話。ショックが大きいほど、人前に姿をさらすのも苦痛になるものだが、そういうときの行動こそ、人間の大きさが見えるものかもしれない。ある米国人女性は結婚式の6日前になって、相手の男性に逃げられ悲しみのどん底に。結婚パーティーをキャンセルしようにも代金を取られると分かった女性は、目に入った老人ホームを見てアイデアがひらめいた。その日は10月31日、新郎の来ないパーティーにお年寄り300人近くを招待し、ハロウィンパーティーを開いたのだ。

米シカゴに住む34歳のティアン・ハリスさんは、10月31日に幸せな花嫁となる予定が、6日前になって相手の男性から突然結婚の中止を告げられてしまった。式直前でのまさかの事態だが、さらなる追い打ちをかけられてしまう。慌てて母親と一緒にパーティー会場にキャンセルを申し出ると、もう返金は不可能と言われたそう。駐車場に座り込み落ち込むハリスさんと、なす術もなく見守る母親。そのとき、向かいにあった老人ホームを目にして良いことを思いついた。

どうせ無駄にするならと、2人は向かいの老人ホームの人たちとパーティーを開こうと決断する。「寄付をしたい」とハリスさんが飛び込んだ老人ホームの施設長は、「彼女はここにいる誰も知らないだろうし、そんなオファーも受けたことない」(米紙ニューヨーク・デイリーニュースより)と驚いた。かくして、ハリスさんの結婚パーティーは、老人ホームのハロウィンパーティーへと変更。お年寄りたちも、思いもよらぬイベントを大いに喜んだという。

300人近いお年寄りは思い思いに仮装して、ダンスに興じた。あるお年寄りは「とても楽しい時間だった」(米放送局CBSより)と語り、老人ホームに素敵なひとときをもたらしたハリスさんに感謝している。施設長も「彼女はどこからともなくやってきて、私たちに美しいパーティーを与えてくれた天使」とハリスさんを讃えた。

会場の傍らでお年寄りの笑顔を見て満足したというハリスさんだが、本当なら自分が主役になるはずだったパーティーにやはり心境は複雑だったよう。母親も「会場で、皆さんの前にいるのが娘だったらよかった」と無念さを語り、施設長も「彼女は落ち込んでいたと思う」とハリスさんの心中を慮った。しかし、そうした中でもお年寄りたちに幸せな時間を与えたハリスさんの人柄に、施設長は「神は彼女を祝福し、きっとほかに良い人を見つけられる」と太鼓判を押す。

ハリスさんは11月2日に、新婚旅行となるはずだったハワイへ1人で旅立ったそう。花嫁になり損ねてしまったハリスさんだが、彼女が取った決断が多くの人に幸せを与えただけでなく、少なからず自分への励みになったことを願いたい。

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