10月上旬、中国で最も背が高い男性がネットに結婚相手募集の告知を出して話題となったが、今度は中国で身長1メートル24センチの成人男性が“婚活”を始め、中国人の関心を集めている。しかし、関心を集めている理由は、単に“身長が低い男性のネット婚活”というわけではない。結婚相手として名乗りを上げた女性の抱える“ある事情”が、注目される理由となっている。

“婚活”を始めた貝貝さんは1980年1月1日生まれ。身長は1メートル24センチ、未婚、安徽省合肥市のバーで歌手・司会者として活動している男性だ。これまでに何度も大規模な公演で歌を披露してきたらしく、地元ではかなり有名な存在だという。ネットに貝貝さんの結婚相手募集の告知を出した人物は、「貝貝は幼少時から文芸を愛し、努力を惜しまない男性。多くの辛い経験に遭遇しつつも常に楽観的で前向きに生きてきた。身長は低いが、頭の回転は速い」など、貝貝さんの人物像と魅力を紹介している。

ちなみに、貝貝さんがこの先の人生を共にしてくれる結婚相手に求める条件は、「28歳以下」「身長1メートル60センチ以上」「大専卒業以上の学歴」「優しくて美しい」。なかなかハードルが高い。

この貝貝さんの結婚相手募集の告知は、すぐにネットユーザーが注目。中には、貝貝さんの条件の「美人」「身長が自分よりも高い女性」について「要求が高い」とケチをつける人もいるようだが、概ね貝貝さんの結婚を後押しするような雰囲気だった。

しかし、あることがきっかけで、その雰囲気が一変する。というのも、貝貝さんの結婚相手に名乗りを上げた1人の女性に、“ある事情”があったからだ。ハンドルネーム「お母さんはどこ」さんは、「背の低い貝貝さん、私を妻にめとりませんか」というコメントとともに自己紹介。それによると、彼女の名は彭春平、1988年9月3日生まれの21歳で、身長は1メートル62センチ、未婚、雲南省楚雄イ族自治州で暮らす女性だ。

彭春平さんの身長は条件に合致し、容姿も端麗ということもあり、貝貝さんにとっては理想の女性が現れたかに思われたが、実は彼女、特殊な過去を持ち、以前メディアでも話題を呼んだ女性だった。

時はさかのぼり2008年7月のこと。彭春平さんは自宅から姿を消した母親を探すため、ネット上に自分のヌード写真を公開していた。ヌード写真を公開することでメディアの関心を引き、それにより母親が彼女の存在を知ってくれることを期待しての行動だ。

彼女の思惑通り、その存在は瞬く間に中国全土に知れ渡ったが、同時にその行動への批判も起きてしまう。中国のネットでは彼女の行為に対して「浅はかだ」とする声があちこちから上がり、「自分が母親」と、彼女を騙す人まで現れるようになった。その後、彼女はさまざまな経緯を経て、母親を失った悲しみを背負いながらヌードモデルとしての人生を歩み、今日に至っている。（※これまでの生い立ち、当時の話題は、オンライン百科事典「互動百科」にもまとめられている）

彭春平さんは、今回立候補した動機について「私は失った尊厳を取り戻したい。罵られることのない、普通のどこにでもいる女の子に戻りたいのです」とコメント。また、貝貝さんについては「私は貝貝の心を愛しています。周りの人の意見は気にしません。大事なのは貝貝が私に対してどう思うかです」と話すなど、その決意は固いようだ。

2人はいま、チャットと電話で連絡を取り合っているという。今後2人が無事にゴールインするかどうかはわからないが、その“婚活”の行方を多くの人が注視している。