オーストラリア・シドニーの道路沿いに、ある日突然、「ジェニファー結婚して」などと書かれた5つの看板が現れた。電柱に1つずつ設置された、文字だけという極めてシンプルな看板。その目的や、5つの看板からなるストーリーの真偽をめぐって、市民の間で話題になっているという。

豪紙デイリー・テレグラフによると、この看板が発見されたのは、9月29日の朝早い時間のこと。シドニー北部の海岸沿いの道に、一定間隔で立っている木の電柱に掲げられていた。車に乗っている人に「ストーリーを追ってもらいたい」と訴えかけているかのように、5本の電柱に1つずつ設置されている。

看板は大きな白いキャンバスに、黒文字で「ジェニファー……」「おれと結婚しよう」「冗談だよ」「君とは終わったんだ」といった言葉が書かれたもの。どこかに実在するジェニファーさんに宛てたメッセージなのか、それともただのいたずらなのか、実際に看板を目にした人も、オーストラリアのネットで話題を目にした人も、気になっている人は多いようだ。

地元では「住民は冗談なのか、ジェニファーを気の毒に思うべきかで意見が割れている」（デイリー・テレグラフ紙より）そう。看板の内容を素直に受け取る人、ジョークと受け止める人と、さまざまな反応が出ているという。自転車で道を走行中に看板を目撃したという男性は「本当に良い看板で気を取られてしまった」（同）、看板がいたずらだと主張する女性は「ジェニファーの気持ちを踏みにじってる」（同）と、男女の立場になっていろいろ想像しているようだ。

デイリー・テレグラフ紙は、この看板はオーストラリアのネット界隈でも話題になり、「大きな論議を呼んでいる」と伝えている。同紙は「ジェニファーや看板を設置した人、話の真相を知っている人は、電話やメールで情報を送って」と呼びかけるほどだ。そうした効果があったのか、同紙にはメールで「これは20代の3人がやったいたずら」と、彼らがSNSの「Facebook」に載せていたという写真も送られてきた。それらの写真には、作った看板を室内と思われる場所で撮影したものや、夜に2人の若い男性が現場で撮影したもの、実際に電柱に看板を設置している様子などが写されている。

また、別の読者からは、オンラインフォーラムで見かけた情報として、「酔っぱらった2〜3人の男がガールフレンドをからかったが、サインを見た彼女は怒って、本当に男と別れた」との情報も寄せられている。とにもかくにも、多くの人の興味を惹きつけてしまったこの看板は無許可の設置として、現在は地元自治体によって撤去されてしまったそうだ。全くの作り話なのか、実際にどこかで男女の駆け引きが行われたのか、その真相が気になるところ。続報に期待したい。