100万人に米ディズニーランドの無料券進呈、条件はボランティア活動。

2009/10/02 16:47 Written by Narinari.com編集部

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米ウォルト・ディズニー社が、「ボランティアに参加する」ことを条件にディズニーランド(カリフォルニア州アナハイム)と、ウォルト・ディズニー・ワールド(フロリダ州オーランド)の2つのテーマパークのいずれかに入園できる無料券をプレゼントするという、米国とカナダの在住者向けのキャンペーンを発表した。

これは、ディズニーが米国のボランティア団体ハンズオンネットワークと手を組んで行うキャンペーンで、2010年1月1日〜12月15日までの期間、もしくは配布予定分(100万人分)の入場券が無くなり次第終了を予定している。キャンペーンの対象者は米国とカナダ在住の人に限られ、希望者はまず米ディズニーランド・リゾートのサイトから登録。その後、ハンズオンネットワークからの要請に応じてボランティア活動に参加し、活動の完了が確認されると、メールで1日入場券と引き換えるためのチケット印刷方法が送られてくる仕組みだ。あとはチケットを印刷し、写真付きのIDカードを添えてパークの窓口に提示すれば、無料で入園することができる。

米ディズニーランド・リゾートのサイトによると、ハンズオンネットワークは「全米最大の組織を持ち、250以上の支部がある」団体。カナダ全域で活動している団体ボランティアカナダと協力関係にあり、今回のキャンペーンが米国とカナダの2国で行われるのはそのためのようだ。

ディズニーのロバート・アイガーCEOは、「我々は社会に100万人のボランティアを動員したい」(米紙ニューヨーク・デイリーニュースより)と、今回のキャンペーンの狙いを説明している。ちなみに、ディズニーランドとウォルト・ディズニー・ワールドへの入園料は通常80ドル前後かかるため、ボランティアの“ご褒美”としては十分すぎるものかもしれない。

今回の活動について、ニューヨーク・デイリーニュース紙は「不況による集客力の低下が背景にある」と解説。「ディズニー社は新たなプロモーションを探し続けている」との、アナリストの分析も紹介している。

また、ロサンゼルス・タイムズ紙でも「ホテル事業や割引チケットがここ数年、ディズニーワールドの入場者数を安定させ、ディズニーランドの集客数を押し上げた」とした上で、「キャンペーンは、不況下でも客を集めるためのプロモーション」と、したたかな経営戦略と見ているようだ。

それでも、無料券が提供される代わりに、ボランティアへの参加を促すキャンペーンに魅力を感じる人が多いのは、ディズニーの強力なブランド力の賜物。動機はどうであれ、社会貢献に力を注ぐ機会となり、その後も継続的に社会貢献を続けるきっかけともなり得る、有意義なキャンペーンと言えそうだ。

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