「チップに」と渡された小切手金額が1,000倍の間違い、受取人は使い果たす。

2009/09/18 22:41 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


欧米人が日本に旅行にやって来て、まず感激するのが、「この国はチップ(サービス料)を払わなくて良いんだ!」ということ。欧米などでは、レストラン、タクシー、美容院などサービス業を利用した時、規定料金のほかに、その10〜15%ほどのチップを支払います。海外旅行をしたことがある日本人は経験があると思いますが、意外と面倒なしきたりです。その文化にどっぷり浸かって生活している欧米人でさえ、日本に来てチップが必要ないと嬉しがってるほどですから、やはり彼らも面倒に思っているのでしょう。

それでも欧米のレストランなどで給仕する人々は固定賃金が安く、それに何割か上乗せされるはずのチップのほうが、逆に重要な収入源になることも。羽振りの良いお客さんの担当になるチャンスがあれば、1日分のお給料を超えるチップ代を貰えるという話もよく耳にします。

ノートルダム大学構内で、ケータリング業務を担当する部に勤めているセーラ・ギャスパーさんも、先日、大学側から食事を配達した時のチップとして、給料とは別のもうひとつの小切手を受け取りました。チップを小切手で貰うこと自体は別に珍しいことではないのですが、なんとそこには29,387ドル(日本円にして約270万円)と書かれていたそう。金額を見た時のセーラさん、それはそれは驚いていたことでしょう。

何かの間違いに違いない、とセーラさんは大学に連絡を取ろうと、担当者の留守番電話にメッセージを残しましたが返答がなく、同時に上司に相談したところ、

「間違いではないんじゃないか」

との答え。

最初は半信半疑だったセーラさんですが、手元に突然大金が舞い込んで来た喜びはひとしお。小切手を現金化し、新車などに費やしてしまったのです。

ところが彼女がそのお金を使い果たした頃、大学側が「やはり小切手は間違いで書かれていた」と連絡(本来の金額は29.87ドルだったとのこと)。最初に送った小切手を返還するよう求めてきたのです。そして、セーラさんがもうそれを換金したことを知ると、今度は裁判所に訴えて、返金を要求してきました。

セーラさん側の弁護士は、

「定額に決められている給料なら、大学側が間違いだと主張する事も出来るが、チップの場合は不定額であり、譲渡した後に返済を求めても、無効である」

と、返済要求には応じない、としています。果たして裁判の結果はどうなることやら……。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.