幸せの秘訣は別々のベッド? 一緒に寝るカップルの「不眠」に警鐘。

2009/09/11 22:49 Written by Narinari.com編集部

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同棲を始めたばかりのカップルや、新婚ほやほやの夫婦なら、「同じベッドで夜を過ごすときに最も幸せを感じる」という人も多いかもしれない。愛する人の横で眠れる喜びと安心感を感じられるのは、愛を注ぐパートナーがいるからこその特権だ。そうした人たちには、少し気になる(?)話が、英国で話題を呼んでいる。ある社会学者が、同じベッドで眠った際の状況をカップルに聞き取り調査したところ、半数の人は「不眠に陥った」との結果が出たことを受け、サリー大学睡眠研究所のニール・スタンリー博士が「健康のためには、別々のベッドで寝るべき」と警鐘を鳴らしたのだ。

この発言は、スタンリー博士が、9月5日から10日までサリー大学で開かれた「英国科学フェスティバル」の講演で行ったもの。スタンリー博士は講演の中で、「健康だけでなく、2人の関係も悪化させかねない」(英紙デイリー・メールより)と、同じベッドで眠ることによって引き起こされる“悪影響”について説いたという。英国ではカップルが「離れて眠るのを嫌う」とされ、スタンリー博士がフェスティバルで聞いたところ、「40代と50代の人で別々の部屋で眠ると答えたのはたった8%」(同)だったそうだ。

ただ、一方で70代では40%以上が「別々の部屋で眠る」と答えており、同じベッドではなくても近くで眠るのは、今の50代以下の年代から英国で一般的になったと、デイリー・メール紙は分析している。

しかし、スタンリー博士は「2人ともよく眠れるなら、変える必要はない」と、あくまでも現状に問題がなければ気にする必要がないとした上で、半数が「不眠」と答えた調査結果のように「負担に苦しむなら、別のベッドに移るのを恐れてはならない」と警告している。

スタンリー博士が持論の根拠としている調査は、同大学の社会学者ロバート・メローズ博士が40組のカップルを対象に行ったもので、同じベッドで寝た際に、「相手の動きによって自分の眠りを妨げられた」と答えた人が半数にのぼったという。

具体的に、別々に眠ることを勧めている理由として、スタンリー博士は睡眠が足りないと心臓病や脳卒中、肺疾患のリスクが高まり、交通事故や仕事上の過失を起こす可能性が高まると指摘。さらに、2人の関係悪化を引き起こし、離婚に発展する恐れもあるとし、「健康で幸せな生活を送りたいなら別々に眠ったほうが良い」と、睡眠の重要性を説明している。また、相手がいびきをかくなら「ツインベッドもオプションにならない」と、別の部屋へ移るよう促した。

実際、スタンリー博士自身も妻とは別の部屋で寝ているそう。こうしたカップルの“睡眠の取り方”について、デイリー・テレグラフ紙とデイリー・メール紙が、ひとつの事例としてそれぞれカップルを取り上げ、別々に眠ることの良さを紹介している。

デイリー・テレグラフ紙に登場したのは35歳同士の夫婦。この夫婦は昨年10月に結婚したが、4年前に夫が妻に同棲を持ちかけ、一緒の生活を結婚前から続けていた。同棲に際して妻が出した条件は「別々の寝室を持つこと」。1人で寝る居心地の良さに慣れていた妻が提案したそうで、そのことを知った周囲からは驚きの目で見られるそうだ。しかし、妻は「ときどき、夜中に夫が訪ねて来るのは最高」と、この生活を気に入っている様子。夫は気分によって別々に寝るか、一緒に寝るかを決めているようで、「安らかな眠りを保証する」と満足げだ。

デイリー・メール紙には、10年間ベッドをともにしたあと、寝室を分けたという43歳(夫)と39歳(妻)の夫婦が登場。この夫婦の場合、就寝時間のズレや夫のいびきの問題で、お互いが睡眠に不満を抱くようになったため、寝室を別にしたという。また、窓を開けて寝るのが好きな夫に対し、妻は寒がりということも災いし、気が付くと妻が掛け布団を独占、夫はベッドの端で丸くなりながら目が覚めることもしばしばだったそうだ。そうしたいろいろな問題を解決するために、屋根裏部屋に夫の寝室を作ったところ、睡眠問題は解消。今では寂しさを感じる時もあるという。しかし、これが幸せな生活の秘訣となっているようで、現在は週に3日は同じベッドで寝て、別々のベッドで寝る場合でも、寝る間際まで妻のベッドで一緒に過ごしているそうだ。

「みんな、眠るときにベッドの反対側に行きたがる」(英放送局BBCより)にも関わらず、「離れて眠るのを嫌う」ジレンマを抱える英国の人々。現実は、愛にとってさまざまな試練を与えているようだ。

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