「将来の夢」を聞かれた小学1年生の女の子、「汚職官僚」と答え騒動に。

2009/09/07 21:22 Written by Narinari.com編集部

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「将来の夢は何ですか?」。子どもの頃、誰でもそんな質問をされた経験があるのではないだろうか。両親や友だち、学校の先生など、多くの人たちから問いかけられる“定番”のこの質問。子どもたちの回答は「パイロット」「スポーツ選手」「ケーキ屋さん」「看護婦さん」など、可愛らしく、無限の可能性が広がる未来を感じさせるモノがほとんどだが、時として一風変わった回答に、大人たちが狐につままれたような気持ちにさせられることもある。

先日、中国・広東省の小学校で生徒に投げかけられたこの質問では、1人の女の子が度肝を抜く回答を寄せ、ちょっとした騒動となってしまった。

地元紙「四川在銭」によると、今回「将来の夢」を聞かれたのは、広東省広州市のある小学校の1年生たち。子どもたちは思い思いに「画家」「学校の先生」「消防士」などと答えていく中、ある1人の女の子が「官僚になりたい」と答えたそうだ。続けて「どんな官僚になりたいの?」と聞かれると、女の子は少し悩んだ後、出てきた言葉は「汚職官僚!」。そして、汚職官僚になりたい理由として「何でも手に入ること」を挙げたという。

ここで話が終わっていれば、単なる“子どものジョーク”として終わり、騒動になるようなことはなかったかもしれない。しかし、何者かによってこの時の様子を収めた映像がネットにアップロードされ、多くの人たちの目にさらされることになってしまった。9月2日にネットに登場した映像は、その日の晩にはすでに1万4,000回も視聴されるなど、ネットユーザーの関心は大きかったようだ。

映像を見た中国のネットユーザーの意見は多岐に渡っている。「子どもの無邪気な話」としてサラリと流す人もいれば、中国の教育問題に触れて問題提起する人もおり、映像の受け止め方は人によってさまざま。しかし、あるネットサイトのアンケートでは約半数の55%が「中国社会の現実が現れている」と問題視しており、「子どもの話で、あまり意味はない」と答えたのは10%にとどまっている。

中国では汚職官僚にまつわる話題が絶えない。新聞やテレビでは「愛人問題」「贈収賄」「暴力事件」といった官僚の汚職問題がしばしば報道されており、6月には広東省深セン市の市長が解任されたばかり。こうした官僚の問題が大人だけでなく、子どもたちにも少なからず影響を及ぼしているとしても何ら不思議ではない状況だ。将来の夢を「汚職官僚」と答えた女の子が、冗談、もしくは皮肉でそう答えたのであれば大した問題ではないのかもしれないが、仮に本当にそう思って答えたのだとしたら、何とも悲しい話だ。

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