コーヒーに浸しても崩れない「魔法のビスケット」、英シェフが開発。

2009/09/04 18:57 Written by Narinari.com編集部

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英国の代表的な習慣のひとつとして知られる「ティータイム」。英国の人々の心を和ませてくれる伝統的なこの習慣は、“Have a cuppa.”という、英国人がよく使うフレーズにも色濃く現れています。これは、日本語で言うところの「まあ、お茶でも一杯飲んで……」といったところ。

そのお茶のお供といえば、英国では断然ビスケットです。ケーキやチョコレート・バー(「キットカット」や「スニッカーズ」のようなもの)も好まれていますが、それでもやっぱりトラディッショナルにいきたいなら、ビスケットをお茶に浸しながらいただくのが“正統派”だと言います。ちなみに、英国圏のビスケットという言葉は、日本で言うビスケットだけに限らず、いわゆるクッキー類もすべて含んだものです。

ただし、この伝統には、大きなジレンマもあるそう。ビスケットをお茶に浸すとき、浸す時間が長過ぎるとビスケットが崩れてお茶の中にボロボロと崩れ落ちてしまうのです。このドロッとなったお茶を飲み干すのは、正直美味しくありません。

しかし、この問題を解決した料理家が現れました。なんでも「お茶に浸しても形が崩れにくいビスケット」を開発したというのです。

英紙デイリー・メールによると、このビスケットを開発したのは、英ウエスト・ミッドランドにある街、ウースターでレストラン「フュージョン・ブラセリー」を経営するトュッチーニ夫妻。3週間の試行錯誤を経て最近開発されたビスケットは、1分近くお茶に浸しても原型をとどめたままなのだそうです。従来のビスケットでは最長25秒程度だと言いますから、それに比べればかなりの進歩。

詳しいレシピは企業秘密なのだそうですが、トュッチーニ夫妻は、小麦やオーツを使用した数種類のビスケット生地を「レイヤー化」することで、サックリ風味を損なわずに、モロモロっと崩れることを回避。仕上げに卵の黄身を表面に塗ることで水分の浸透を遅らせる、という手法も用いました。さらに、ビスケットの「芯」として、サツマイモで作られた極薄の楕円形状のものを入れ込んだのも、原型をとどめるためのテクニックだとか。

そうして出来上がったビスケットはチョコレートとバニラ味の2種類。9月4日から行われるウースター市の食べ物フェスティバルで提供されるそうです。お茶を片手にぜひ頂いてみたいですね。

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