ペット用避難ジャケットに海外も注目、災害時は「人間と一緒に助かる」。

2009/09/04 12:40 Written by Narinari.com編集部

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4つのプレートがぶつかり合い、大きな地震が多発する“地震大国”の日本。8月11日には駿河湾を震源とする震度6弱の地震が発生し、東名高速道路の一部が崩落するなどの被害も出た。しかし、最も大きな揺れを観測した静岡県内は「30年以内にマグニチュード8クラスの地震が87%の確率で起きる」とされる東海地震への備えもあって、被害は比較的少なく、高い防災意識や日ごろの備えの大切さを改めて示した格好だ。

9月1日には「防災の日」を迎え、それに合わせて防災グッズの数々を買い揃えたという人も多いが、そうした防災グッズにはペット用のものもあることをご存知だろうか。家族の一員であるペットの命を守り、ともに避難したいと願うのは、飼い主にとっては当然のこと。その想いを実際に形にしたのが、ペット用の避難ジャケット「おやごころ」(発売元:サイデリアル有限会社)だ。

「おやごころ」は犬と猫を対象にしたペット用の避難ジャケット。体の大きさに合わせて6サイズ用意され、抗菌・防炎のジャケットには、雨よけの帽子や足裏を保護するラバーシューズ、水や食料の受け皿となるボウル、ペットを落ち着かせるためのアロマオイル、興奮した犬がかみつくのを防止する簡易口輪まで装備している。このほかにもゴム手袋や包帯、密封袋、ミニラジオ、笛、鈴など、人間が使う道具も収納。価格は付属品の種類やサイズで異なり、16,000〜58,000円となっている。

愛玩動物救命士で同社の代表を務める岡聖記さんは、災害時にペットを連れて逃げることが飼い主の負担になるのではないかとの考えから、「愛犬・愛猫自身に避難用具を身につけてもらったらどうだろうか」とのアイデアを思いつき、「おやごころ」を開発したという(公式サイトのメッセージより)。

この「おやごころ」は、米国のリンキャ社を通じて海外でも販売されており、英紙デイリー・テレグラフも注目。「猫と犬のための地震サバイバルキット」と紹介している。

同紙の取材に答えたリンキャ社のローレル・スタブロス副社長は、「おやごころ」の海外向け販売を手がけていることについて、「日本はペットに多くの愛情を注ぐことで知られる」とした上で、「ペット用のキットなんて奇妙に思うかもしれないが、家族の一員である大切な犬や猫を守るには、本当に役立つ」(デイリー・テレグラフ紙より)とコメント。ペットへの深い愛情から発案されたそのコンセプトと、“地震大国”ならではの製品に感銘を受けているようだ。

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