74歳の老人が手にした「夢物語」、ゴミ拾いからお金持ちになったワケ。

2009/08/30 22:02 Written by Narinari.com編集部

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すでに多くの資産を持つ大金持ちか、仙人のように悟りをひらいている人以外は、誰しも心の片隅に「もっともっとお金持ちになりたい」という夢物語を抱いているもの。急速な経済発展とともに貧富の差が拡大し続ける中国では、お金持ちになることはステータスであり、お金がなければ、生涯独身生活を強いられる可能性が高まってきている。そうした世情を反映してか、宝くじや株で一夜のうちにお金持ちになる夢物語は中国人も大好き。「いつかは自分も……」と、つかの間の夢に浸るのだ。

今回、話題となっているのは、上海でゴミ拾いをしながら生計を立てていた74歳の老人・楼和志さんの夢物語。楼さんのケースは、よくある宝くじや株によるサクセスストーリーではない。かつて支払われるべきだった退職金と年金がまとめて楼さんのもとに転がり込み、突然、お金持ちになったという物語だ。

上海の「東方早報」によると、物語の概要はこうだ。かつてボールペン工場で働いていた楼さんは1985年に定年を迎え、退職することになった。しかし、その後工場が移転してしまい、新しい工場の住所を知らされていなかった楼さんは、退職金を受け取ることができず。そして、気が付くとお金も底を尽き、上海でゴミ拾いをしながら生計を立てる“第2の人生”が始まっていた。

しかし幸運なことに、工場側は楼さんの行方をずっと探し続けていたのだという。楼さんを探し続けている間、“行方不明”の楼さんの退職金は年々増加していき、ついには退職金と年金は合わせて10数万元(10万元は約140万円)に。日本円に換算すると大した金額には聞こえないが、中国の物価からすれば、1,000万円相当の価値はある。特にゴミ拾いをして街をさ迷い歩いていた無一文の楼さんからすれば、かなりの大金だ。

警察が発見して身元を確認したときには、髪はボサボサで顔は垢だらけだったという楼さん。幼くして孤児院に預けられ、唯一の身内である妹も生き別れ、結婚もできずにこれまで1人寂しい生活を送ってきたそうだ。それだけに、今回の一件に楼さんは「政府に感謝! 警察に感謝!」と大喜び。ネットでも楼さんを祝福する声が相次いでいる。

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