「当選が私の人生を滅ぼしたの」16歳で約3億円を当てた女性の現在。

2009/08/27 13:33 Written by Narinari.com編集部

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一攫千金の夢を見て、人は宝くじを購入する。つい先日はイタリアで200億円、米国で245億円と、まさに“夢”の賞金を射止めた当選者が出たのは記憶に新しいところだ。当選確率が非常に低いとはいえ、購入すれば「当たったら○○を買って……」と思いをはせるのは宝くじの大きな楽しみだが、「実際に当選したら思い描いたような未来は待っていなかった」と、当選をきっかけに環境が大きく変わり、悲惨な人生を歩むことになった人々の話は世界中から報告されている。

英国では6年前、16歳の女の子がロトくじで190万ポンド(約2億9,000万円)を射止め話題を呼んだ。海外の宝くじのスケールから考えると、やや少なめの当選金額ではあるものの、大金は大金。10代の女の子の人生を狂わすには十分な金額だった。

英国中部カンブリア州のハイ・ハリントンに住む22歳のキャリー・ロジャーズさんは、2003年7月、ロトくじ「ナショナル・ロッタリー」で190万ポンドの賞金を獲得。当時、16歳での1等当選は英国史上2番目の若さとして注目を集めた。賞金を得たロジャーズさんはすぐに「目もくらむような派手な金遣い」(英紙ニュース・オブ・ザ・ワールドより)を始めてしまう。

まず手始めに購入したのが家だ。自分が住む家だけでなく、母親と父親、祖母と計4軒の家を購入し、家具もすべて買い揃えたことで55万ポンド(約8,400万円)の出費に。さらに、身内や友人との休日の遊興費に20万ポンド(約3,000万円)、高級自動車の購入に11万5,000ポンド(約1,700万円)と、勢いよく賞金を使ったという。

ほかに2回の豊胸手術で1万3,000ポンド(約200万円)と、パーティーに25万ポンド(約3,800万円)、高級服や生活費にも惜しげなくつぎ込んだようだが、周りの人間への支出も多く、ロジャーズさんが交際した男性につぎ込んだ金額も相当な額に上る。例えば、当選時に交際していた25歳の男性は、彼女が賞金を獲得した途端に仕事を辞め、毎日200ポンド(約3万円)の小遣いをもらって生活し始めた。酒を飲んで好き勝手な生活を謳歌するこの男性と別れるまでに、ロジャーズさんは2万1,000ポンド(約320万円)使ったとされている。

そして、その次の交際相手には7,000ポンド(約100万円)の自動車を与え、現金で3,000ポンド(約45万円)を渡すと、わずか2週間で失踪。3人目の交際相手には1万5,000ポンド(約230万円)のスポーツカーを与え、妊娠が発覚するものの、男性に現金を盗まれていたことがわかり破局してしまう。この男性とは子どもが産まれる前に一度は復縁したが、盗み癖のほかに、ロジャーズさんの妹にも手を出していた事実が発覚。精神的に不安定になったロジャーズさんは、多量の薬剤を飲んで自殺を図る(未遂)に至った。その後、2007年に2人目の子どもを授かるも、結局は破局を迎え、昨年から新たな男性との交際をスタートさせている。

この男性にも1万2,000ポンド(約180万円)使ったとされているが、昨年12月に、男性はコカインの売買とスタンガン所持で逮捕。その直前に彼女は自分の手首を切って、2度目の自殺を図り、未遂に終わっている。

こうして付き合った男性へ貢ぎ、友だちや身内へもお金を貸し続けた結果、現在の彼女は「3000ポンド(約45万円)の弁護士への支払いができなければ、破産手続きに追い込まれる」(英紙デイリー・メール)というほど、厳しい経済状況に追い込まれてしまった。

ロジャーズさんは現在の心境を「ロトの当選が人生を滅ぼした」(ニュース・オブ・ザ・ワールド紙より)と吐露している。また、派手なお金の使い方については、「私はお金を使って周りの人を幸せにしたかっただけ。でも自分が幸せにはなれなかった」と振り返り、「私の人生は修羅場よ。でもお金がきれいに無くなれば少しは幸せが見つけられるかも」と、皮肉にも、今はお金を早く使い切ることを望んでいるようだ。

ちなみに、ロジャーズさんは現在、弁護士への支払いのために自宅を売りに出しているが、2人の子どものために10万ポンド(約1,500万円)の信託預金は手を付けずにいるという。

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