月曜日は「憂鬱な日」ではなかった? 米研究者のブログ単語調査で判明。

2009/08/25 22:31 Written by Narinari.com編集部

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「ブルー・マンデー」という言葉があるように、憂鬱に陥りやすいと言われることの多い月曜日。一時期、日曜日の夕方に「サザエさん」(フジテレビ系)を見終わると、翌日からの学校や仕事のことを考えて気分が落ち込むという「サザエさん症候群」なる言葉も生み出されたほど、月曜日はあまりポジティブな曜日と捉えられることがない。しかし、米国のある研究家らは一風変わった方法で調査を行い、その上で「月曜日は2番目に『幸せ』と感じる曜日」と主張している。なぜ、月曜日は比較的「幸せ」な曜日なのだろうか。

この研究を行ったのは、米バーモント大学高度コンピューターセンターで統計学を専門とするピーター・ドッズ教授とクリストファー・ダンフォース教授。2人は過去4年間に書かれた約240万のブログや、コミュニケーションサービス「Twitter」の“つぶやき”を調べ、そこで使用されている単語に感情の度合いを示す1〜9の点数を割り振った。例えば「成功した」「愛」「パラダイス」などのポジティブな言葉は高得点となり、逆に「トラウマ」「葬式」「自殺」などネガティブな語は低い点数となる……といった具合だ。

その結果、曜日別でみると平均得点が最高となったのは日曜日で、曜日が進むに連れ(→月曜日→火曜日…)低下。水曜日の平均得点が最低となり、木曜日から再び週末に向けて平均得点が上がっていくという。そこから導き出されたのが、「月曜日は2番目に『幸せ』と感じる曜日」という主張だ。

ダンフォース教授はブログを研究対象にした狙いについて「人々が自然な環境で書き、正直な気持ちを観察できる」(英紙ガーディアンより)と説明。従来の“定説”を覆すような「月曜日は幸せな曜日」との結果については、「日曜は土曜の夜の出来事を、月曜日には週末の良い記憶がまだ残っているから」と見ている。

ほかにも教授らは、約2万人のアーティストの23万曲の歌詞についても研究。その結果、往年のロックバンドのザ・ビーチ・ボーイズや、昨年10月に一部メンバーで再結成された英国の人気ダンスグループ・S Club 7の歌詞は7点以上を獲得した。逆に米国のスラッシュメタルバンドのスレイヤーやスリップノットは低い得点だったという。

さらにバラク・オバマ大統領含め、43人の歴代大統領が年頭に行った一般教書演説などの文章を調査。すると、ジョン・F・ケネディ氏が「最も幸せなスピーチ」となったそうだ。

今回の調査ついて、ドッズ教授は「大きなスケールで、総体的な幸せ度が判断できる」(ガーディアン紙より)と、その意味に自信を見せている。また、「研究のゴールは、特定の話題について市民の脈をとること」(米紙ニューヨーク・タイムズより)とも話しており、人々の意見を数値化して単純にすることによって、集団の気持ちの傾向が読み取りやすくなるため、例えば選挙の予測などにも応用できると見ているようだ。

数値化された客観的情報によって人々の気持ちを読み取ることは可能なのか。研究の続報が気になるところだ。

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